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T-006

今日のうさ子はいつもとちょっと一味違いました。
 
そう、イメージチェンジを試みたのです!
 
しかし、変わっていたのは外見だけでした。しかも後頭部に目があるというだけです。
 
何となく物足りなさを感じたうさ子は、体の色も変色してみようと考えました。
 
手始めに桃源郷に咲く虹色の花で作った染料を2秒で入手してみました。
 
「さぁ!!染色染色♪」そう言い、うさ子は虹色染料をグググイッと飲み干しました。
 
まるで赤い水を入れたコップにさした花のように色が変わっていくうさ子。しかし
 
体は虹色ではなくエメラルドグリーンノーバ一色になってしまったのです。
 
「そっそげな色知んねっつーの!」うさ子の喋りはどこ出身かさっぱりになってしまいました。
 
「オラこんな色好かんとよ!!こんちきしょー!!うおおお!!」
 
うさ子のなまりにつられて、クロコダイル佐野君がとびこんできました。
 
「おっ…お前は一体何者だー!!!!」うさ子がめずらしく普通の反応をしました。
 
「ホワッ?ワタシひょージュンごワカラナイねーん」クロコダイル佐野君、意味不明です。
 
「標準語のわからん奴に用はない!!」うさ子はクロコダイル佐野君を近くの川に投げ捨てました。
 
その川の水で、うさ子の後頭部の目は流れ落ちてしまいました。
 
川の激しい流れによって、うさ子の目んたまとクロコダイル佐野君が一体化しました。
 
「なっ…なんて美しいの!?」うさ子は青空を見上げています。現実逃避です。
 
一方クロコダイル佐野君は目の数が増えた事にうかれ、ラジオ体操第2を踊り出しました。
 
「んー、こんの2番目ぇがてれくさいんよねェ」クロコダイル佐野君はうっきうきです。
 
「このクソ坊主!!私の美しい目をおとなしく引き渡しなさい!!」うさ子は現実に帰って来ました。
 
「美しい?どの目が美しいんよ。ウソこくでねェ!」クロコダイル佐野君は2つの目をとじウインクします。
 
「キーッ!!!!くやしい!!」うさ子は自宅に戻り秘密兵器を持って来ました。
 
テント型ロボのうしろにあった、ハンター用サングラスです。「でゅわっ!!」
 
「エンジン全開!!パワーーーーオーン!!!!」うさ子はハンター用サングラスを装備した。
 
うさ子の服が消え、光につつまれました。「オオゥ!モーレツゥ!!」うさ子が呪文をとなえました。
 
クロコダイル佐野君は「カーバンクル」を召喚し「リフレク」をかけました。
 
しかしうさ子はそれを知らなかったのでシカトしました。うさ子の変身が完了しました。
 
その風ぼうは、まるで百済観音の如く壮大で頭からは角がはえていました。
 
「なっっなんやねぇーーーん!!」キョーフのあまりクロコダイル佐野君は逃げました。
 
「逃がすか!!」うさ子は近くにあった岩を放り投げクロコダイル佐野君の後頭部にぶつけました。
 
「がつっ!!」(※セリフ)クロコダイル佐野君の後頭部に目が出来ました。
 
しかも4つ!うち1つは魚眼です。
 
あとの3つは義眼です。
 
「お前は妖怪百目かーー!!??」クロコダイル佐野君の目は今8個あります。
 
うさ子のツッコミがむなしくこだまする中、クロコダイル佐野君は流行の先端に立とうと企んでいました。
 
クロコダイル佐野君は8つの目をギョロギョロ動かし、口を「ニヤッ♡」とさせ、満足気です。
 
さきほどまでうさ子の後頭部にも目があっただけに、うさ子はくやしそうです。
 
うさ子は木の枝を折り、それを持ってクロコダイル佐野君に突撃しました。
 
「かたきーーー!!」木の枝は、クロコダイル佐野君の、元うさ子の目に刺さりました。
 
「グッ……」うさ子は頭を抱えて倒れこんでしまいました。「頭が……」
 
やっぱりという感じですが、クロコダイル佐野君についてる、元うさ子の目はうさ子と一体だったのです。
 
「チャーンス!!」と思ったクロコダイル佐野君は、自分の後頭部についたうさ子の目を刺そうとしました。だが
 
どれが元うさ子の目なのかワケわかんなくなっていました。そのとき、砂嵐が…!!
 
それと同時に現れたたつまきに2人は巻き込まれ、2人は飛ばされてしまいました。
 
「痛ッ!目に砂がっ!!」クロコダイル佐野君は痛がっています。うさ子はニヤリと笑いました。
 
「ま…前が見えない!ココは何処?オイラは誰?あんたも誰?」クロコダイル佐野君は記憶喪失気味です。
 
「あなたは私のペットの百目ちゃんよ!ホラ!思い出して♡」うさ子はほほえんでみました。
 
「そうか!?せっ者の名前は“百目”だったのか!?」クロコダイル佐野君はとても単純でした。
 
「そうそう♡ひょーじゅん語もバリバリよ♡」と言いながらうさ子は百目に首輪をつけます。
 
「こっ…この首に巻かれたものは何ですか?」クロコダイル佐野君の喪失様はかなりのものです。
 
「ネックレスよ♡ホラ~、あんたが私に忠誠を誓ったときの♡」うさ子はメチャクチャ言います。
 
「それでね、今日は君の後頭部についた目を私に渡す事になってるのよ~♡」うさ子はノリノリです。
 
「目…?」百目の目が全部落ちました。
 
うさ子は落ちた目を口の中に入れ、食道をくぐり、腹の中におさめました。
 
「みみみ見えないよう」百目はうろたえています。
 
するとうさ子の腹の中にいる百目の魚眼が蠢き出しました。
 
ゴロゴロゴロ…。うさ子の腹でマグマのような音がしました。
 
「あら?昼食の時間だわ♡」うさ子は腹時計と勘違いしている模様。
 
百目はうさ子に調理されてしまいました。そして、うさ子の腹が噴火!!
 
調理された百目を食べ腹の噴火を抑えたうさ子。後頭部の目は消え、イメージチェンジは失敗に終わったのでした。ジャンジャン

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