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T-064

あるところに、うさぎがいました。そのうさぎとは全く関係ないところに、うさ子がいました。うさ子は白のパンダを集めていました。
「んー、こんなもんかしらね」
ふう、と一息ため息をつき、20匹のパンダをまとめて持ち上げます。
 
20匹のパンダを自分の目の前で持ち上げたうさ子は、そのまま次のパンダを探して一歩一歩前に歩いて行きました。そして視界が遮られたまま歩いていたうさ子は、何かでつまづき転んでしまいました。それは道端でうずくまる只野(ただの)うさぎでした。
 
「アイテー!」
うさ子は転んでしまったせいで折角集めたパンダをブチまけてしまいました。
「あーんもう、サイッテーよ!」
つまづいたうさぎには目もくれず必死にうさ子はバラバラになってしまったパンダたちを集め始めました。
 
そこはかとなく寂しそうな只野うさぎは何とかしてうさ子にかまってもらおうと、さりげなくランバダを完璧に歌いながら必死にマイムマイムのダンスを踊り始めました。
 
その踊りはパンダ達を魅了しました。パンダはその白い肢体をあずき色に染め、ふらふらと只野ウサギに向かって歩いてゆきます。容赦なく踏み潰されているうさ子。ついカッとなってしまいます。
「オンドーリャ!マ、ターンカ、イ!」
何語でしょうか。
 
ところがあずき色のパンダたちは、容赦なくうさ子を踏みつけます。先ほどのうさ子のセリフは、実はうさ語で、パンダには通じない言語です。うさ子の間では、超公用語になっています。怒ったうさ子は仕方なくパンダ語で怒りをぶちまけようとしたのですが、
 
間違えてカリフラワー語をしゃべってしまいました。もちろん、パンダには通じません。
「カリフラワー語はわたしの第ニ母国語なのよねぇ~」
「え?あなたカリフラワー語がわかるの!?」
と、只野うさ子が反応を示しました。只野うさ子はカリフラワー語検定の第1人者のようです。
 
お互いの共通点が見つかった2人には、何処か友達意識が芽生えてきました。うさ子は言います。
「アタイ、アンタのこと好きになれそうだわ!」
2人はお互いの手を握り締めました。すると2人の手には、
 
うさ子、友情の証である「朝食りんごカレー」がのっていました。この友情の証はそう簡単には出てくれません。例えて言うなら「駄菓子のヨーグル側面についているヨーグルかすをひとつ残らず取る」位です。レアです。隠しアイテムです。うさ子はこの現象にマッスルハッスル驚き、思わず「うさ子伝統芸:生贄召喚」の儀式をし始めました。
 
すると、あずき色のパンダ達が止めに入りました。
「アアン!何すんのよう!!儀式は中断すると大変なことになるのよ!」
あわてたうさ子はうっかり儀式を中断してしまいました。すると、爆発音を轟かせ、うさ子は破裂しました。
「うさ子さん…!」
只野ウサギは呆然としてします。しかし、破裂したうさ子の中から、新しい
 
うさ子と一緒に、神遣いうさぎが金うさ子を首ねっこ鷲掴みにして出てきました。神遣いうさぎが只野うさぎに問い掛けます。
「今破裂したうさ子は、1.うさ子、2.金うさ子、さぁどっち?」
すると
 
「3.○×◎☆□◎」
と、選択肢にない答え(放送禁止用語)を言いました。
「え!?そ、そんな!○×◎☆□◎だなんて…は、は、恥ずかすぃ~★」
神遣いうさ子は、頬を赤らめ、もんどりうっています。
「で、答えはなんなんです?」
只野うさ子は冷静に問いかけました。
 
「正解は36番の『桃栗三年、隣の田村は5年で禿げた。』よ」
神遣いうさ子は先ほどの放送禁止用語が相当ショックだったらしく、魅惑的なフラダンスをマッハ6の速さで踊りながら大変流暢な青森方言で答えました。
 
「くっ、そっちだったか…!」
只野うさぎはうちひしがれました。その姿を見て憐れに思った神遣いうさ子は、只野うさぎにラストチャンスを与えることにしました。
「さあ、おいでなさい。あなたは今日からうさ子になれるのですよ」
 
只野うさ子は、恍惚とした表情で神遣いうさ子に近寄ってきました。
「これでうさ子になれるワ…!」
只野うさ子はすがるような眼をして神遣いうさ子にさわりました。
「さわるんじゃないわよ!」
神遣いうさ子は、只野うさ子を地面に叩き落しました。
 
只野うさ子は地面にベチーン。そしてトランポリンの要領で空へ。
「あいつ…神を超えようというの?」
神遣いうさ子は困惑した面持ちです。
 
一方空へ飛んだ只野うさ子は。
「え…?うそ!アタイ飛んでる!むしろ翔んでる!!」
そうなのです。翔ぶこと、それがうさ子の証なのです。只野うさ子は街の人間などを見下ろしてほくそえみました。
 
しかし神遣いうさ子に召喚され、只野うさ子は遣われる一生を送ることになるのですが、それはまた、別のお話。

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