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T-072

朝、目が覚めて窓の外を見ると、そこはインドでした。
 
その証拠に、川にはカレーが流れています。
 
雄大なガンジス川…その流れは、赤ん坊のゆりかごから死人の棺おけまで優しく包み込みます。
 
うさ子は体を川で洗っています。すみからすみまですみずみと。
 
ついでにちょうど持っていた1ヶ月分の洗濯物を洗うことにしました。
 
すると上流から大きな桃が流れてきました。
 
桃を見てうさ子は「おもしろいなあ」と言いました。
 
その桃のどこが面白いかは私たちには推し量れません。そう、私たちには…
 
どう見てもあきらかに尻に見えるのです!!むしろ尻です!
 
よく見るとふんどし姿の少女が、川に体ごとつっこんでカレーをむさぼり食ってます。
 
うさ子は少女を気の毒に思い、洗濯物のスカートを貸してあげました。
 
すると少女はそのスカートでカレーを包めるだけ包むと、そのまま
 
「キャリーアウト!キャリー・ザ・アウト!」と叫びながら拳を振り上げて雄たけびをあげました。
 
「むッ!!フードバトル、開始ね!?」3度のメシよりバトルが好きな
 
いっこく堂ファンのマダム・アダムが乱入。場内騒然。
 
「マダムは引っ込んでなさい!」マダムアダム、早速退場。
 
そしてうさ子も退場しました。
 
会場の外で鉢合わせたマダムとうさ子。ホントは仲良しなので、一緒に
 
お茶をすることに。しかし、うさ子が作ったのはお茶ではなく
 
さしみでした。
 
付け合わせに、クッキーを焼きました。
 
マダムは「まあ、おいしそうなクッキーね!」と言うと、さしみを捨てました。
 
マダムが食べたクッキーは腐敗が進んでいたというのに、さしみは健全な状態でした。
 
さばかれたさしみの魂(ソウル)がまだ生きていたのです!
 
プルプルとうごめくさしみ。マダムはトラウマを思い出しました。
 
それは、えびの踊り食いをした時、えびが胃の中でサンバを踊ったというものでした。
 
「アタシは、アタシはこのトラウマを克服するのよー!!!」そう叫ぶとマダムはさしみを手に取り
 
体の穴という穴に詰め込みました。
 
さしみは、うさ子の心に溶け込み、見事な
 
うさ子のさしみが料亭に並びました。

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