- 2008/11/15
- テキスト
T-106
今日からゴールデンウィーク。うさ子は旅行に行くことになりました。
遠出をしたいと思っていたので、まずはスーツケースを買うことにしました。
イイスーツケースを見つけたものの、所持金がわずかに5円足りませんでした。
「たかが5円に踊らされるのか」とうさ子はなげいてまわりました。
貧乏は知恵でカバーできる!スーツケースの代わりにスーパーのビニール袋を使うことにしました。
すると死ぬほどお金が残りました。
そのお金をスーパーの袋につめまして、旅行スタイル完成です!
「まだ誰も足を踏み入れたことのない場所へ行こう!」と思いました。
しかし、他にあてのないうさ子。そうこうしているうちにお金がなくなりました。
しかたないのでシャベルを片手に地下大国探索ツアーを一人で決行です。
着きました。「夢と魔法の地下大国へようこそ☆」でっかい看板がおでむかえです。
しかし、看板の後ろは間違いなく廃墟です。
「わア~ステキ☆」うさ子は虚ろな目でつぶやきました。
喜び狂いながら駆けて行くと、地面にあった小石に蹴つまづいて転びました。
「痛ェなコラ!」誰が叫んだかと思えば…小石!?
ウソです。小石じゃなくて小岩さんでした。45歳です。
小岩しげる(こいわしげる)、45歳、職業庭師、趣味は囲碁、座右の銘は生涯現役。
好きな花はコスモス、孫は1人、車はスポーツカー、昨日はハイキング。
今日はピクニック、明日はマーチングの予定です。
「こんなところで何してるんですか!?」とりあえずうさ子は訊きました。
「それはこっちの台詞でぃ!!」どうやら江戸ッ子のご様子。
しかし江戸ッ子きどりすぎて逆に東北くさいです。
「あ、そちらの出身でしたか!?」
「いいえ」そこは否定しました。あくまで江戸ッ子です。
「てやんでぇべらんめきしょーめ」まるで外国の言葉のようです。すごいね。
うさ子もなんだか悔しくなったので、すごい言葉で見返してやろうと思いました。
「アイネクライネナハトムジーク!」意味はわからないけどとりあえずすごそうな言葉を叫んでまた旅に出ました。