- 2014/09/24
- テキスト
T-225
今日はとても良い天気です。うさ子は布団に乗って空の散歩をしていました。
そこへ暴れ飛行機が現れ、うさ子にパンを買いに行けと言いました。
「滅びよ」うさ子が念じると、飛行機は木っ端微塵になりました。
因果応報、布団も木っ端微塵になりました。
布団に頼っちゃダメ…!自分の足で歩くの!普通に徒歩で移動することにしました。
ツーステップで軽やかに歩いていると、中二病を患っている男子がついてきました。
面妖な姿のうさ子を見て、中二病男子の妄想が爆発しました。
しかしそこは男子。心に秘めて通り過ぎます。
おや?男子が何か落としたようですよ?「ちょっと!指ぬき手袋落としたわよ!」
男子は顔を赤らめ、手袋をひったくっていきました。
うさ子が念じると、無礼な(思春期な)男子は蒸発しました。
しかしそこはうさ子。気体となった男子をしっかりキャッチ。
キャッチし、手ごねして、コロッケを作りました。
山原雄海という、自称グルメが「キャベツはどうした!」と怒り狂います。
「何かを添えなくても充分おいしいのがホンモノよ?」うさ子は
手からソースを噴射しました。こうかはばつぐんだ!
自称グルメ(52歳無職)の目に直撃したため、光を失うことになりました。サツバツ!
ただの散歩が殺伐とした戦いになるのはいつものことではあるのですが
そんなことは知ったことではありません。
でも、事実、そうなのです。ここにある、今が現実(リアル)なのです。
「今日はとても良い天気だというのに、私には嵐と変わらないわ」アンニュイなことを
叫びながらおじさんの残り僅かな毛をちぎっては食べちぎっては
油でかき揚げにしていきます。おじさんの頭皮はもはやペンペン草の1本も生えていません。
毛の代わりに手を植えてもみますが、メデューサよろしく邪魔なだけでした。
手がいやらしい手つきでうさ子においでおいでをしています。
「気持ち悪っ!!!」ドン引きを通り越して正気でいられなくなりました。
耳でおじさんの頭をなでるようにしてスパスパと手を切り落とします。
その切られた手は姿を変え、掛け布団になりましたよ。
人肉布団…。なんとかして、この、この世にあってはいけないおぞましい何かを消さなくては。
耳で布団をスパスパと細切れにしてみました。
うさ子が息を吹きかけると、たくさんのハートが生まれ
愛として降り注ぎ、世界を満たしました。表面張力ギリギリです。
うさ子はそれを布団袋に詰め、上に寝そべります。
その夜うさ子は百くすぐりの刑を受ける夢を見たのでした。