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うさ子といううさぎのような宇宙人がいた記録

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T-037

ある日、森の中。うさ子は熊さんに出会いました。
 
熊さんはうさ子に「お礼に歌いましょう」といって歌い始めました。
 
うさ子は「何のお礼だよ!」とさま~ず三村ばりのつっこみをしつつも、まんざらではない様子です。
 
「なんだぁ?そのツッコミは!」と、熊さんはうさ子のツッコミが甘かったことに大変腹を立ててうさ子に怒鳴りつけました。
 
うさ子は怒鳴られた瞬間、バック転を華麗に決めカマキリのポーズをビューティフォゥに決めました。
 
熊は「ほぉ~やるっちゅうんかい、相手したるがな!」と叫び4足モードに移行しました。突進するようです。
 
「見せてやらあ!これが熊流、最強のツッコミだ!!」文字通り突っ込む熊。しかしうさ子は
 
なんと熊に巴投げを食らわせたのです!
 
「くるくる~!みんなシノラ~のこと好き~??」熊はともえ繋がりの物まねをしてみました。
 
「ええいこうなったら!
 
私の最大奥義『チョップ・デ☆ゴジャルナバ』を登美夫(仮)にお見舞いしてやる!」うさ子はいつのまにか勝手に熊の名前を登美夫にしていました。
 
「時間差ツッコミ!『今さらシノラーかよ!!』食らえ!」登美夫(熊)は奥義に奥義で対抗しました。そして…重なる拳。
 
激しくぶつかる2人のこぶしから火花が飛び、登美夫の目がくらみました。「むっ、太陽拳!?」
 
「俺のこの手が火花を散らし、轟き叫べと激しく唸るぅ!」うさ子と熊は声を揃えて同じセリフを叫んでいます。
 
そして…今のシンクロのせいか2人には友情が芽生えていました。
 
すると、うさ子は急にガタガタと震えだしました。しかもかなり激しく。
 
「どうした!お前…茶色くなってるぞ!」登美夫はうさ子の肩を掴み、前後に揺らしました。
 
しかしうさ子は「は・は・ハッスルしてるおむすび山……」とトランスしているようで、ちょっと怖い感じです。
 
熊はうさ子のトランスぶりに少し引きましたが、「起きろ!寝たら死ぬぞ!!」とうさ子を張り倒しました。
 
「むにゃあ、もうちょっと寝かせて…」そのままうさ子は惰眠をむさぼりはじめました。
 
「おっ起きろー!」 登美夫はそう言いながらうさ子の顔を殴りつけました。
 
しかし何故かうさ子は無傷です。
 
登美夫は起こすのを諦め、起きないうさ子の横で「私のぽえむ」を書き始めました。
 
そして登美夫は、あろうことか白いギターを取り出して曲も作り始めました。
 
そして数分後、登美夫は自作のポエムを歌い始めました。激しく音を外しながら。
 
「…?なにかしら、このステキな歌は…」うさ子は登美夫の歌声で目を覚ましました。
 
「お目覚めかい、ジョンジョルフィーヌ」登美夫は目に星を映しながら微笑みました。
 
「あら…私眠っていたのね…あなたは…ミハイロフ侯爵?」うさ子は側で歌っている登美夫を優しく見つめました。
 
「そうだよ。このボクの素晴らしいポエ(ン)ム。気に入ってくれたようだね」登美夫の目に今度はうさ子が映ってます。たくさん。
 
うさ子は登美夫に感動して増殖していたのです。あたり一帯うさ子だらけです。一部バッタ物もまじってます。
 
バッタ物が好物の登美夫さん。熊らしい体勢でバッタうさ子に近づいて行きます。
 
「やめて!近づかないで!…って言ってんだろゴルァ!!」
 
バッタうさ子はそういうと周りにいたうさ子全員と合体して超合金うさ子になりました。
 
「また合体かよ!」久し振りにツッコめた登美夫はなんだか幸せそうです。
 
突っ込まれた合体うさ子は衝撃で分解し、うさ子に戻りました。バッタものに。
 
その後登美夫は、その無数のうさ子達を資本にうさ子マーケティングを展開し、ゲイツと並ぶ世界のトップになったそうです。(おしまい)

T-036

あの時うさ子は何を思ったのでしょうか。これは3日前の星がきらめく夜の話です。
 
いつものように、うさ子はバラの花びらを敷き詰めたベッドで眠っておりました。
 
うなされつつも、気分よく眠っているうさ子の耳に、どこからか声が聞こえてきました。
 
えらくトゲのある声でした。
 
おれはここでは 名の知れた男 誰もがみんな 振り向くぜ…と、何かの歌詞のようでした。
 
かなりのジャニーズ系だと言い張るその男が、歌いながらうさ子に近づいた…その瞬間。
 
キュピリーン。うさ子の目が怪しげに光りました。
 
くっ……何の此れしき 正義の鉄拳 受けてみろ…声は状況に合わせた台詞をはくようでした。
 
「怪我する前に、うちに帰んな!ぼうや!」と、うさ子は正義の鉄拳をかわしながら言いました。
 
「こしゃくなッ…」声の主が姿をあらわしました。
 
さわやかな消臭材の香りとともに、うさ子の初恋の相手が立っていました。
 
心臓を5分の1ほどだしながらうさ子は初恋の相手『ホニュランジュ君』を見つめていました。
 
数十年も前の甘酸っぱい初恋の味を、うさ子はかみしめていました。
 
背の高いホニュランジュ君は、うさ子を見下ろしています。うさ子はなんだかそれが気に入りません。
 
「そうだ、前みたいにかけっこしてみない?」うさ子はかけっこでホニュランジュ君に勝負を挑みました。
 
たしかめるようにホニュランジュ君はうさ子に足払いをかけ、そしてうなずきました。
 
「血、血がッッ!!」うさ子は膝を抱えるように座りこみ、ホニュランジュ君を睨みつけ、
 
「つ~かまえたっ」といってホニュランジュ君を丸呑みしました。
 
てっきり、攻撃してくると思っていたホニュランジュ君。驚きを隠せません。
 
とっくに頭まで飲み込まれたホニュランジュ君は、それでもまだ白く固まったままモガク気配すらないようです。
 
なんとホニュランジュ君は今週のびっくりドッキリメカをうさ子に送っていたのです。
 
にんじん型のメカ達は、うさ子に向かってゆっくりと歩いてゆきます。
 
盗っ人のような歩き方をしたそのメカをうさ子はおいしそうだと思っていました
 
猫なで声を出してメカ達を誘惑するうさ子。メカ達はタジタジです。
 
「残らず食べてしまいたい…!」うさ子は逃げるメカ達を追いかけはじめました。
 
ハリセンを持ったうさ子は無敵です。メカに追いつき、足払いをしかけました。
 
酷いくらいにメカたちはバラバラにされました。
 
「ふふふ…甘いな」どこからか声がした途端、バラバラになったメカ達が集まり、合体ロボに…
 
「へ、平方根は√……」うさ子は突然の合体に脳みそが数学モードに変換されてしまいました。
 
「ホホホホホ、地獄に送ってさしあげますわ」合体ロボはうさ子めがけてデコピンをしてきました。
 
マッハで飛んでくるデコピンを、うさ子は光速で避け、そのまま
 
魅惑のダンスを踊りました。これには合体ロボもタジタジです。ロボは勢い良くバラバラになりました。
 
「む、無茶苦茶かっこ悪い……」謎の声はバナナで釘が打てる温度まで凍ってしまいました。
 
メカっぽい喋りになりながら、謎の声はどんどんどんどん凍っていきます。
 
もう言葉も出ない謎の声でしたが、かろうじてコレだけは言えました。「俺は…俺は魅惑には勝ったからな…」
 
やがて謎の声は山田君(座布団運び)へと姿を変え消滅したのです
 
雪見だいふくを食べながらうさ子は山田君を、家の周りを500ヘクタールほど探しました。
 
よく見ると家の根元に小さくなった山田君がささってました。うさ子は「生きてる?」とつぶやきました。
 
「楽にしてくれ…!」つぶやく山田。かなりピークです。
 
臨機応変という言葉の似合わないうさ子。山田君をラクにしてあげることが出来ません。
 
瑠璃色の光とともに、うさ子は山田君を空へほうり投げました。ついでにうさ子も。
 
「連結しやがったのかよ!いちゅのまにぃ~~~…」うさ子の絶叫が空しく響きます。
 
ロケンロールをBGMに、うさ子が夕日を見つめています。そろそろエンディングのようです。
 
「腕力では…人の気持ちを変えることはできない。変えられるのはハートだ!」とうさ子の心臓が叫びます。
 
「ををぅ!ちったぁ良いこと言うぢゃねぇか!うさ子ぉ!!」山田君の心臓もいい調子で煽り立てます。
 
「んふ。アンタもアタシを見習うことね」うさ子と山田君は空中でガッチリ握手しました。心臓で。

T-035

明日は遠足のうさ子。とても楽しそうに支度をしています。
 
遠足と言っても、ただの遠足ではありません。1人遠足です。
 
しかしこれでは引率の先生がいません。そこで近所のスポポビッチさんを呼びました。
 
地下室の魔法陣へ呼び出されたスポポビッチさん。うさ子を目の前にキョトンとしています。
 
「ここは…?」「来たわね、スポポビッチ!さあ、アタシを遠足へ案内するのよ!」
 
「んー、ワタシ『エンソク』なんてトコ知らナイわー」スポポビッチさんは、真顔で
 
黒板にそう書きました。得意げなスポポビッチ。どうやら自分の字の上手さを自慢したいようです。
 
しかしそれはどう見てもスワヒリ語。うさ子には全く読めません。
 
しかたがないので全部消しました。
 
スポポビッチさんごと。
 

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T-034

今日のうさ子はすっぴんです。OLのうさ子は久々のオフを満喫しようとたくわんでました。
 
お金もちょっと余裕あるし、エステにでも行こうかしら?」
 
そうと決まれば即行動。「こんにちはー。エステはありますか?」
 
「どのコースにいたしますか?松・竹・梅ございますが」受付が言いました。
 
「特上ツユだく、卵もね」うさ子は即座に答えました。「はーい特上いっちょー」
 
「ハーイ」店の奥から店員が現れました。「当店おすすめの牛丼エステ特上でございますね?
 
それではこちらにどうぞー」と、森の中へ誘導されるうさ子。
 
森の中には危険がいっぱいです、先程も木の枝がうさ子のお尻を触りました。セクハラです。
 
「なんですか!?このエッチな木の枝は!」「いや、これがエステ特上コースの前菜です。
 
そしてこちらがメインです」店員の指さす先には、巨大な牛丼が。
 
「こ、こん中でもみくちゃにされるのか…」青ざめたうさ子を
 
店員はどんぶりに放り込みました。と思ったら放り込まれたのは店員でした。
 
「ギャー!!牛肉イヤー!!」店員は叫びます。「イヤならなんでエステにすんのさ!」うさ子は
 
叫びました。店員は「だってたまねぎが好きなんだもん!」と。
 
「そうよねー、たまねぎLOVEよね。むしろKILL♡」とうさ子は悦に入りましたが、店員はそれどころではないようです。
 
そんな店員に、うさ子は牛肉を追加しました。特盛です。9・10日は安いです。
 
すっかりぐったりもっさりピッカリしている店員に、うさ子は優しく声をかけます。「まだあるけど、どう?」
 
「もう結構です。勘弁してください」店員は息切れ気味に答えましたが、
 
「そーだ、卵を忘れていたわ」うさ子はおもむろに巨大な卵をぶちこみました。
 
「あ、それは嬉しいし。フッカツ♡」店員は、キラキラ光りながら立ち上がり
 
くるくると回り始めました。周りもキラキラ輝いています。
 
あまりのキレイさに、うさ子もうっとりです。店員さんはこう言いました。「踊りませんか?」
 
「ええ喜んで♡」うさ子と店員は、どんぶりの上でチークダンスを踊りました。
 
しかしそこはどんぶり。踊っていてもズブズブと沈んでいきます。
 
「ギャー!!底なし沼はヌマっててイヤーーー!」ギャグもスベるほどテンパり中です。
 
生命の危険を感じ、うさ子は助けを求めます。「あんれ、おとっつぁん助けてけろー!」
 
「ん?なんだい?」店員が言います。そう、その人こそうさ子のおとっつぁん…!
 
「おとっつぁんーーッ!」そう言っている間にもうさ子は沈んでいきます。しかしおとっつぁんは
 
おろおろするだけです。ようやく我にかえった店員は、うさ子をどんぶりの外に放り出した後、1人どんぶりの中で
 
シンクロナイズドスイミングを始めました。でもどんどん沈んでいきます。
 
「うさ子ー!沈んでるけど、これはこれで楽しいぞー!」「ああっ、入りたいけど入れないジェラシー…!」
 
「ハハハハハゴボゴボグブ」おとっつぁんはすっかり沈みきってしまいましたが
 
その直前にうさ子は瞬間移動していたのでした。おとっつぁんの中に。
 
そして、うさ子パワーを手に入れたおとっつぁんは、どんぶり沼から
 
這い上がろうとしましたが、だめでした。「助けてーっ」
 
おしまひ。

T-033

真っ暗な闇の中、うさ子は1人でさまよっていました。
 
「あ"ーーー…昨日飲みすぎたかしらねェ…」日付はすでに変わっていました。
 
「いけない、早く帰らないと灰になってしまうわ」そう、それは吸血うさ子でした。
 
東の空はまだ大丈夫です。うさ子は棺桶を探してキョロキョロしています。
 
「あ、あった!」暗闇でそれらしきモノを見つけて入るうさ子。しかしそれはカンオケではなく
 
鈴木さんのドカンでした。奥さんと子供も一緒です。
 
先住民の鈴木さんに何とも言えない腹立たしさを覚えたうさ子は、2コママンガ勝負を
 
しようと思いましたが、やり方がわからないので困ってしまいました。
 
とりあえず鈴木さんの持ってるボードを全て焼却してみるうさ子。
 
「甘いっ!」鈴木さんはスキを見て、うさ子に描きはじめました。「げっ、ベタがはみ出た!」
 
「はい!次は私ね。失敗するまで描いてあげるわ…ってあぁ!!」早速失敗したうさ子に
 
車だん吉がダメ出しです。「マ、マンガ道場が台無しじゃないか!」
 
「私はマンガよりも、黒ひげ危機一発がやりたいのよ!」うさ子はマンガ道場マニアです。
 
怒ったうさ子はドカンに発破をかけました。鈴木さんは一家ともども粉々になりました。
 
「ふっ、やわな家だったわね…」呟いて去っていくうさ子。
 
その後ろを、粉状の鈴木さん一家が「よくぞここまで」という笑顔で見ていました。
 
家に帰るうさ子は、背後から殺気を感じました。「まさか…富永さん?」
 
「鈴木じゃ。あんなやつと間違うんじゃない」鈴木さん激怒中です。
 
「よくもワタシの新居を…!」家を壊された上に富永扱いでは怒るのもムリはありません。
 
「訴えてやる!!賠償金よこせー!!」鈴木さんの激怒は続きます。
 
うさ子はとてもいたたまれなくなりました。鈴木さんにあっさり賠償金(ドカン)を渡しました。
 
「これでいいでしょ」うさ子は風と共に去っていきました。
 
と思いきや、マッハのスピードで鈴木さん粉を蹴散らし、もといたところへ
 
コンクリートを抱えて帰ってきました。「ふっふ、生き埋めにしてやるわ!」
 
とたんに粉が空に舞いました。「待ーてー!!」うさ子が掃除機で
 
吸ったり吐いたりしました。するとだんだんろ過されて、キレイな粉末が出来ました。
 
粉末はキラキラ輝いてまるで結晶のようです。うさ子はそれに見とれていました。
 
うさ子はこの粉を川に流しました。「ホラ、こうするともっとキレイ…♡」
 
「何をするんだ!環境破壊じゃないか!」鈴木さんは再び怒り始めています。
 
流されているのに。
 
「大丈夫よ、海は全てをキレイにしてくれるわ」うさ子は鈴木さんに投げキッスをしました。
 
「んなわけあるかぁー!!」鈴木さんは叫びつつも流されていきます。
 
「ついでに富永も流しましょう」まったく無関係な富永氏、ゆらりゆられて水の中。
 
そんな時、東の空から朝日が昇り始め、吸血うさ子の体は徐々に灰になっていきました。
 
その灰も風に吹かれ、川に流れていきました。川は「うさ川」と名付けられ、今は村民の心のオアシスとして親しまれてます。

T-032

行列のできるお店に並んでいるうさ子。でもそれが何のお店かうさ子は知りません。
 
うさ子は聞いてみました。「ここは何のお店なの?」「それを聞くために並んでいるんじゃないか」
 
「へ??じゃあ店じゃない可能性もあるの?」「さぁ、どーかな??」相手は薄笑いしながら答えます。
 
すると、前のほうから整理券を配るおっちゃんがやって来ました。
 
そして通りすぎ、天へと召されました。「なんなの?」うさ子はイラついています。
 
「だから、ここはまずどこなのよ?!」
 
「はっ、ひょっとしたらここはうわさに聞くデパ地下?」
 
よく見ると単2とかマンガンなどの電池が売られています。単3も品数豊富です。
 
「まあ、エナジーが沢山!」さっそくそこらにいる子供に食べさせてみました。
 
一瞬力が光となって子供を包みましたが、すぐにもとに戻りました。
 
そして子供はしおしおとしぼんでいきました。
 
あわてたうさ子は、子供をふところにしまいこみました。
 
ふところにしまいこまれた子供は、もごもごと何か言っていましたが、うさ子はシカトです。
 
「キミ、事務所に来てくれないか?」うさ子は、店員に万引きされたと思われたようです。
 
うさ子は「知らないワ!」と弁解しましたが、口から無数の電池が出てきました。ワサワサと。
 
「こ、これは何だ!」「え?えーと…。タマゴ?」「うそつけ!」「ウソじゃないわよ!」すると電池から
 
子供がツブ大の大きさであふれ出てきました。子供はあっというまに店員を覆い尽くしました。
 
「しめた!今だ」とうさ子は店から出ようとしました。が、前を立ち防ぐものが…
 
電池(殻)で武装した店員マーク2スーパーアルファ2000です!!
 
「うわははは!ここを通りたければ、俺を超えるがよい!」
 
「よっしゃー!」うさ子は渾身の力で飛びあがりました。20センチほど。
 
「ダメじゃん!!」あまりのうさ子のダメッぷりに店員マーク2はうさ子に同情を売りました。
 
「200円です」「どうも」
 
「さ、金も受け取ったから出ようか」「そうはいかんよ、そうは」「Oh!No!」うさ子は嘆き、
 
泣き崩れました。「仕方なかったんだぁ!!うちの父っつぁん病気で…金なくて…うっうっ」
 
目薬を目に入れて泣きマネをするつもりが、間違えてオロナインを目に。
 
「痛いっ、痛くて目が開けられないっ、貴様なかなかやるな…」
 
戦力ダウンのうさ子に店員Mk2はトドメを刺してきました。「就業規則パーんちっ!!」
 
「うぅっ…やられない」うさ子は雑草魂でその場を耐えました。
 
「アタシは…負けるワケにはいかないのよ!!」逆ギレです。万引きの上に逆ギレです。
 
「人間としての道徳に欠けているな、連行します」サッちゃんが現れました。
 
うさ子の手首に手錠がかけられました。「お前には黙秘権がある…」サッちゃんは警察です。
 
「いや、てゆーかアタシむしろ子供を強化したんだから感謝してほしいわ」
 
ふふん、と髪をかきあげる手つきです。髪ないのに。
 
うさ子逮捕のニュースは世界に広まり、歴史の教科書に載り、受験生を悩ませたということです。

T-031

明日のうさ子は彼とおデートです。うさ子さんは緊張で夜も眠れません。
 
「ああっ、どきどきするわ。どうしましょう…ぐーぐーぐー」すでに寝ています。
 
そこへ現れたのはバク使いの少女です。「ふふ…入ってやるわ…」
 
うさ子の夢の中を見たバク使いは叫びました。うさ子の夢の色が蛍光ピンクだったからです。
 
「まぶしー!!目がイタイわぁー!サングラス、サングラスぅ~ーー!」あわてて探してます。
 
サングラスを探し当てた少女。しかしそれはタモリのだったため、オールバックに。
 
「もうお嫁に行けないワーー!!」うさ子の夢を見た報いです。バク使いは後悔しました。
 
「……んなわきゃないか」バク使いはまんざらでもないようです。
 
「よっし、まず、うさ子を探すわよ」と、バクに言って少女はバクと共にまっすぐ進みます。
 
「ほらバク、『そりゃないよ』とか言いなさい!」バク使いはごきげんです。
 
でもバクはごきげんななめです。
 
「うさ子のノリに感化されたか。常識人はおれだけとは…ヤレヤレ」バクは呆れました。
 
しかしその言葉を聞いていた人物がいました。うさ子です。夢 in うさ子です。
 
「何を言うの!?うさ子世界ではアンタは非常識なのよ!それに、そのつけづめ似合わないわヨ!」さりげにFC(ファッションチェック)です。
 
「つけづめなんでどうでもいいわ。あなたの夢をいただくわ」と言ったせつな、バク使いは飲みこまれました。
 
「まずは1人目、ふふふ…」うさ子は遠い目をしてつぶやきました。
 
そして目を光らせながら、うさ子自身の夢の中を歩きはじめました。
 
「バクの肉っておいしいのかしら♪」うさ子はすでに空気食う気満々です。
 
「ハハハッ…!待ちなさいよ、バク~~!」「やーだねー」雰囲気はまるで青春の浜辺です。
 
「つーかまえたッ!」とビーチフラッグの要領でバクの足をつかむうさ子。「今夜はバク鍋ねー♡」
 
生命の危機を感じたバクはこう念じました。「じっちゃん!オラに力を!!」するとどうでしょう。
 
「よ、呼んだかいのう?」大地が割れてじっちゃんが姿を現しました。「す、すげえ気だ…」
 
「3、2、1、ブー」そう言ってじっちゃんは大地の中に戻って行ってしまいました。
 
「させるか!」バクはじっちゃんを追って大地の中へ…。1人取り残されるうさ子。
 
「ばっちゃん!オラに力を!!」うさ子は真似してみました。
 
あたりには空しくこだまが響くばかりでした。
 
「おばあちゃん…。どうして…?あんなにおいしかったのに…」ガッカリするうさ子。
 
「あいつの事なんか忘れろヨ…」なんと、さっき割れた大地の中からうさ子の彼が顔を覗かせて
 
「これからはボクたちの時代さ。さ、一緒に行こう」と言うさわやかな顔をうさ子はボコりました。
 
「あ、2人目にしておこう」ボコられた彼をうさ子は美味しくいただきました。
 
「さて…どうしようかしら」うさ子は自分の夢の中で途方に暮れます。
 
「そろそろ起きようかなあー」うさ子は目覚めるために自分の顔を殴ってみました。
 
うさ子の顔は何回も殴ったせいでボコボコに腫れ上がってしまいました。
 
「…これじゃ起きてもボコボコで痛いだけだわ」そう思ったうさ子は、
 
また寝直しました。翌日、ハチ公前でいつまでも待ってる彼は、大量の血の涙を浮かべてたとさ★
 
おちまい♡

T-030

暗い密室から、この世のものではないうめき声が聞こえます。うさ子です。
 
そのうさ子は生まれたばかりでした。リトル小さいです。
 
うさ子は何か形のはっきりしないものを押しています。
 
形のはっきりしないそれは、うさ子にテレパシーで語りかけます。「…楽しいか?」
 
「おとっつぁん、それは言わない約束でしょ」うさ子はけだるく答えます。
 
「そうか、それならいいのだが…」とテレパシーは語尾をにごします。
 
「だがな、うさ子。お前はこれからは旅立たねばならん。なぜならお前は…
 
選ばれし者、そして呼ばれざるうさ子だからだ!!」
 
「ええっ!?私はいずこへかけださなきゃいけないの?!」うさ子は嘆きます。
 
「西じゃ!西へ向かうのじゃ!さすれば…グフッ」「え!?西には何があるの!?おじいちゃーーーん!!」
 
こうしてうさ子は、おじいちゃんの遺志をひきつぎ、時速30kで勢力を強めながら西北西へ向かいました。
 
「でも、向かってどうするの?」とりあえず走ってますけど。
 
何も考えずに走っていたら、うさ子は地球を半周していました。
 
半周走ったところでうさ子が弱っていきました。エネルギー切れです。「しまった!充電しとくんだったWA!!」
 
そこへナイスタイミングでコンセントマン2世がやってきました。
 
「アァ!!充電させてぇ!たとえ刺し違えてもぉーーーー!!」うさ子は最後の力で駆け寄りました。
 
しかしヒラリとかわすコンセントマン2世。「ただでは、やれんな」
 
が、うさ子はすでに電気を5/6ほどすいとっていました。「うわ!営業妨害だっ!」
 
「ふははははっ、とりあえずこれで、カンベンしてやるさーっ」と走り去っていきました。
 
コンセントマン2世は最後の力を振り絞って、必殺技を使いました。「瞬間移動(テレポート)」
 
するとどうでしょう!お約束ですがコンセントマン2世はうさ子の中へ移動しました。むしろ異動です。
 
うさ子は急にお腹がいっぱいになったので満足げです。「充電完了♡」
 
「さーて、おなかも一杯になったし、ちょっと寝よっと」一呼吸で眠りにつくうさ子。
 
ですがおなかがいっぱいになってすぐ寝てしまったので、体が牛になってしまいました。
 
おなかのコンセントマン2世をはんすうしながら、うさ子は起きあがりました。「よく寝たわモー」
 
しかし、うさ子は体が牛になったことに気が付きません。
 
そんな時、近くの牧場にいた牛たちがモーモー言いながらうさ子の周りに集まりだしました。
 
どうやら牛うさ子に求婚しているようです。牛うさ子は牛たちに胴上げされました。
 
と思いきや、闘牛の練習です。うさ子の体はツノで穴だらけです。
 
「穴だらけで力が出ないよー、誰かアンパンくれー!!」うさ子は力なく叫びました。
 
「あーい」けだるい感じのパン屋と助手と犬が現れました。「これ。はい」と言って、
 
牛うさ子はアンパンを食べると思いきや、牛うさ子はアンパンと入れ替わりました。
 
仕事は終わった、とばかりにパン屋と助手と牛は、入れ替わった牛うさ子の顔を持って帰りました。
 
「親方!このパン(顔)はどうしましょう?」「うーむ、今日のコロの夕食にしようか」「ワン(喜)」
 
港町のパン屋で『うさ子パン』が一大ブームを巻き起こしたのはその5年後のお話です。

T-029

あの日あの時あの場所に、ヒトリのうさ子が誕生しました。
 
うさ子は地面に埋まっていました。うさ子は土から生えたようです。
 
それもそのはず、3日前に寂しがり屋の黄色うさ子がひそかにあの場所に種をまいたからです。
 
そしてお節介な緑うさ子が、昼夜問わずに水をかけ続けたからです。
 
しかし観察当番の黒うさ子がサボっていたため、生まれたてのうさ子が今どこにいるのか
 
を知っているのは、几帳面な水色うさ子だけでした。
 
水色うさ子は「なんとなく」な気持ちで生まれたてのうさ子に植毛していました。
 
すると植毛した毛はあっという間に2メートル38センチ伸びました。一本だけ。
 
それもそのはず、水色うさ子は生まれたてうさ子の他にもあらゆるうさ子に植毛していたのです。一本ずつ。
 
水色うさ子の趣味は植毛日記をつけることで、全32巻のロングベストセラーになっています。
 
しかも、「水色うさ子の植毛日記」はいまだに執筆続行中です。
 
すると赤頭巾ちゃんが「水色うさ子の植毛日記」を抱えてマッハ的に走ってきました。
 
そして「サインを!」と叫びながら、編集者と書かれた腕章を見せつつ去っていきました。
 
その走り去ったあとには、白いハンカチが点点と落ちていました。
 
水色うさ子は生まれたてのうさ子を連れてハンカチを辿って行きました。
 
水色うさ子はうさ子を連れてハンカチを辿りながらパンクズを捨てていきました。
 
そして、寂しがり屋の黄色うさ子は、そのパンクズを辿って2人の後についていきました。
 
しかし、そのパンクズはすべて腹をすかせたキュートなうさ子が食べていました。
 
困った黄色うさ子は、とりあえずキュートなうさ子を飲み込みました。
 
その時です。黄色うさ子はたちまちキュートどころかセクシーになってしまいました。これが世に言う「峰うさ子」です。
 
黄色(峰)うさ子はパンクズを辿り、ついに水色うさ子達に追いつきました。
 
そしてなんと黄色(峰)うさ子は生まれたてうさ子を賭けて水色うさ子に決闘を挑んだのです。
 
「水色うさ子!あたしと卓球勝負なさい!生まれたてうさ子を賭けて!」「やだ」水色うさ子はあっさり断りました。
 
「なんですと~!?」と叫びつつも華麗な天井サーブを黄色うさ子は放ちました。
 
水色うさ子は華やかにそして美しく、レシーブを決めました。
 
黄色うさ子は軽やかにまろやかにレシーブをかわしカレーを作っていきます。
 
生まれたてのうさ子はそのカレーを食べています。隠し味に黄色うさ子の耳をいれました。
 
「まだまだいっぱいあるからね~。」黄色うさ子は生まれたてうさ子にいいました。独り寂しそうな水色うさ子です。
 
「私は卓球勝負にもカレーにすら負けてしまったは…」水色うさ子は黄色うさ子に確かな敗北を感じました。
 
「畜生、畜生ッ!!」電柱に何度も蹴りを入れる水色うさ子。それを見て
 
「うさ子丼はいかがかな?」声をかけたのはかの有名なクッキングマスターです。
 
クッキングマスターは「召し上がれ!」といって無理矢理水色うさ子の口に押し込めました。「ほどよくまずいわ!」水色うさ子は口の中にうさ子丼をほおばりながら言いました。
 
「クッキングマスター。このどんぶりの具はいったい何なの?」と水色うさ子が尋ねると…
 
クッキングマスターは「ジョミリュンでございます、マダム。」と紳士な口調で答えました。
 
「ジョミリュン!それを知ってるおぬし、うさ子丼の秘伝レシピ所持者か!?」水色うさ子は驚愕しました。
 
「フッ。だからどうだというのだ。」マスターの化けの皮が剥がれて落ちました。
 
するとどうでしょう。マスターの化けの皮は見事な花を咲かせました。その花はジョミリュンのモトだったのです。
 
皮が剥がれたマスターの素顔を見て、水色うさ子は驚きました。「お父様!?」
 
「うさ子よ…立派に育ったな…」「お父様…いいえ、チチン…」マスターと水色うさ子は輝く夕陽の中、感動しながら夕陽の中へとゆっくり消えてゆきました。
 
残された黄色うさ子は、勝ち取った生まれたてうさ子と共に、マスター達とは反対の方向へと歩んでいくのでした。

T-028

とあるダンジョンの最深部に、黄金色に光るランプがありました。
 
それを見つけたうさ子、まけじと自分も黄金色に光ります。
 
するとランプは「甘い!!それは黄金色ではなく金色だ!?」と叫び、
 
さらに発色しました。あまりのまぶしさに自分もタジタジです。
 
まぶしすぎるせいか、うさ子の目の中に星ができました。乙女うさ子の誕生です。
 
「オーホホホホ!!それでは全国大会には出られなくってよ!?」その上キャラ的にもアレです。
 
「どれだよ!」ランプはツッコみますが、乙女うさ子はスルリと聞き流します。
 
「そんな事はどうでもいいのよ。アナタ、私をここからお出し!」お蝶うさ子は言いました。
 
うさ子は実は鳥カゴの中にいたのです。ランプが『コレクションNo.1』と書いたカードを
 
自分につけ「アイムチャンピョーン」と宣言。しかしうさ子はスルリと聞き流します。
 
そしてスルリと鳥カゴから、さらにダンジョンから抜けました。ランプは
 
「まて!外はキケンだ!」と叫びました。が、その直後に落盤。ランプはゴミになりました。
 
うさ子は身を挺して助けてくれたその元ランプをかかえ、空
 
中を旋回しました。初めて空を飛んだランプは感激のあまり
 
嵐のような号泣を展開。その嵐は今では伊勢湾台風と呼ばれています。
 
しかしそれを襲名しようとする者が現れました。うさ子です。
 
「涙で私に勝てるものか!」うさ子は涙を大量に流しました。耳から。
 
耳から手へ、手から足へ。その光景はまるで水芸のようでした。
 
「Oh!!ブラボー!!」拍手かっさい。気づくとそこはステージの上
 
の何やら怪しいハコの中。「ハコの中身はなんでしょねー」「うーん、肉?」「ブッブー、正解は
 
5年後に!!」客席はブーイングの嵐。嵐と聞いてランプがよみがえりました。
 
「SoSoイイコトなんてなーい、方向オンチの」情熱LIVEの開催です。
 
「おだまり!!」はじまったばかりのライブに邪魔者が。もちろんうさ子さんです。
 
「歌ならあなたに任せなさい!!」まったく意味不明なうさ子。それもそのはず、うさ子は
 
水芸のやりすぎでひからびていたのです。当然、脳とかもです。
 
「大変だ!!審判、タイム!!」ラグビー部のマネージャーがヤカンを持ってかけつけました。
 
と思いきや、そのヤカンはなんとランプの生き別れた兄でした!!
 
「に、兄さん!!ひどいや兄さん!!」金属音を鳴らして抱き合う2人。
 
そんな2人をかかえ、今回の冒険を終えたうさ子は冒険者ギルドへ向かったのでした。

T-027

朝、起きたらうさ子のお腹が膨らんでいました。
 
うさ子に産卵期が来たのです。その印に、だんだんうさ子が緑色に染まっていきます。
 
かなりアブナイため、うさ子は卵を生みました。卵は手足の生えた状態で誕生しました。
 
さっそく観察日記です。おや、七色に光っていますよ。将来有望ですね。
 
七色といっても、白、黒、ふかみどり、パステルピンク、エンジ、茶褐色、信号の青色です。
 
しかもなんだかまだらもようです。
 
うさ子は観察日記に卵の絵を描くべく、和紙と花のしぼり汁を探し始めました。
 
というか、うさ子の頭のくぼみに花の汁がたまってたのを思い出しました。卵が。
 
花の汁を使って絵をかいたのですが、卵が見ても明らかに下手でした。
 
「2点だな」卵の辛口批評にうさ子は大変衝撃をうけました。花の汁がこぼれんばかりに。
 
育児ノイローゼだったうさ子は怒って卵をたたきわろうと、オノ…のかわりに味つけのりを持ってきました。
 
そしてその味つけのりを花汁に浸し、イイ感じにしみこませました。
 
味つけのりを卵の上にのせて、うさ子はナイフとフォークを持ちました。--が、その時…
 
グニャリ。なんと!!うさ子の腹に穴が開きました。どうやらこのナイフとフォークはうさ子的に
 
勝手に心を持って飛んでいく「憑かれフォーク」と「逝かれナイフ」なのです。
 
うさ子の心を持っていったフォークとナイフ。しかしそれをうさ子は平然とおいかけます。
 
「待って~幸せの青い鳥~~」うさ子は楽しそうに、さらに必死です。
 
そして泣いています。おまけに踊っています。その素晴らしさにフォークとナイフは
 
卵の方に動きました。「私よりもその丸っこい卵の方がいいってか?」
 
フォークとナイフは「大好物ですもの。うさ子ごときが、調子こいてんじゃないわよ」といじわるに言いま
 
わし、心の中では「フッ、本当のことなんて言えるわけないじゃない」と思っていました。
 
いじらしいフォークとナイフ。そう、ホントはうさ子の事が好きなのです。でも言えない、このキモチ。
 
フォークとナイフは気持ちを伝えようと手紙を書きました。が、うさ子は読まずに焼きました。
 
「食べてよ!!むしろ食べてよ手紙!!」フォークとナイフはハモり叫びました。
 
「手紙なんかじゃいや!!あなたの声でその気持ちを聞かせてェ~!!」
 
「ア・イ・シ・テ・ル」うさ子は悟りました。愛というものを。生命のシンピを。
 
そして一体となるべく、うさ子は2人を食べました。お味は?「ん?なんか十円くさい。」ああ、うさ子の愛の味。
Fin

T-026

うさ子は寝不足で悩んでいます。これではお肌に良ろしくありません。
 
そこで地元でも有名な医者へ相談しに行きました。
 
でも行った先は普通の一軒家。無免の医者の家でした。
 
医者の家は玄関が開かないので、えんとつから入りました。
 
煙突から入って最初の部屋が診察室でした。うさ子は医者に事の次第を話しました。
 
「つまりこういうことか」医者はヒゲをなでながら言います。「ススだらけで困ると」
 
「そうなのよー。あたし困っちゃってェー」と医者のえんぴつで鼻をほじり、うさ子は言いました。
 
「ワシのエンピツを…!フッ、仕方がない。手練れのキミには特別治療をしてあげよう」
 
そう言いながら医者は奥の部屋からカッターナイフを持って来ました。
 
「なっ何をするの!いけないわ、さとしさん!」うさ子は医者をはりたおしました。えんぴつで。
 
どことなく投げたえんぴつは、倒れる医者の頭頂部の後ろの壁につきささりました。
 
…と思いきや、はねかえってきてうさ子の鼻につきささりました。
 
えんぴつはうさ子を貫通しています。イッツイリュージョンです。
 
偶然とはいえイリュージョンを成功させたうさ子。そのままシルクハットを取り出しました。
 
「レディースあんどじぇんとるめ~~ん!!」うさ子はノリx2です。
 
「この帽子の中からハトが出てきますよ~」と呪文を言うと、帽子が消えました。
 
その直後、ハトがとなりの部屋から一直線にうさ子目がけて滑空してきて、
 
まあ大変。うさ子は目からビームを出してハトを消しました。
 
「イッツ・イリュージョーン!」医者は焼いたハトのようなモノを食べながら叫びました。
 
医者がカンゲキして「ラーラーラーラララーララーラーラー(ケンタの歌)」を歌うと、白ひげがもっさりと。
 
「次はこのおっさんを消してみましょう!!」うさ子は医者のひげをつかみました。
 
うさ子のイリュージョンで医者…のひげが消え、うさ子にピンクのひげが生えました。
 
ひげが生えたのと同時にたてがみも生えました。尻尾もふさふさの毛で覆われました。
 
「まあ♡これならお肌の心配も要らないかしら?」うさ子はうきうきしてます。
 
あまりのうきうき加減にうさ子は自分に生えた毛を根こそぎ抜いてしまいました。
 
「キャー、イタキモチイイ!」毛を抜くカイカンにハマったうさ子。医者の毛という毛をブチリ。
 
「あ~~い~~わ~~~」医者は毛を抜かれるカイカンを覚えたようです。
 
抜く毛がなくなったふたりは毛を求めて街へ…と思ったら山に行きました。
 
そこで、毛がもじゃもじゃ生えた木を見つけ、毛を抜くカイカンを教えることにしました。
 
ところが木は聞く耳もたず。2人はあきらめて毛を生やす手段を考え
 
ませんでした。と、いうより当初の目的を思い出したうさ子はもう1回事の次第を話しました。
 
「眠い。」「はい。」「薬。」「はい。」うさ子は大量のなまこを手に医者の家を後にしました。
 
「ふう~、これでお肌の問題も解決ネ♪78364(なやみむよう)!!」うさ子は家に帰りました。
 
「って飲むのは食前食間食後いつかしら」うさ子はなまこを全て食べる前に飲みました。
 
こうして、うさ子の腹の中で飼うペットが増え、うさ子の安眠はさらに妨害されたのでした。

T-025

ある森の奥。「七色うさ子」と書かれたカンバンの立つこの小屋に、うさ子は住んでいます。
 
七色といっても七人いるワケではありません。1人でレインボーです。目によくありません。
 
うさ子本人の目にもよくありません。そこで作戦をたてました。それは…
 
赤、オレンジ、黄、黄緑、緑、青、紫の7人に分裂するというものでした。
 
うさ子は自分を遠心分離機にかけて分裂しようとしました。
 
材料は小麦粉300gに黒うさ子の涙1滴です。1滴=300ウサロマンスだと考えてください。
 
うさ子は資料と材料をかかえ、地下実験室へおりました。
 
そして遠心分離機改めコインランドリーに小麦粉を入れ、涙を入れ、自分を入れてスゥイッチ、オン!
 
『うんがろうんがろうんごろぼっこんぎゅるるる』七人になったと思ったら8人になってました。
 
しかも8人ともレインボーカラーです。
 
8人になったうさ子は、公衆電話BOXに自分をつめ込み、もとに戻そうとしました。
 
公衆電話BOXははじけ飛びました。もうポロリどころの騒ぎではありません。
 
部屋中がピッコロピッコロ鳴っています。収拾がつきません。
 
「じゃあ集合!」「ピッコロピッコロ…」「うるさい!今から合体する方法を考えます!」マジメキャラの1人が言いました。
 
「合体といえば…組み体操?」8人はピラミッドを作りました。
 
うまくいきませんでした。そこで1人のうさ子が別のうさ子を食べてみました。
 
上半身が2つに割れ、キメラ状態になったうさ子は
 
その汗で光る肢体をくいいる様にまじまじと見つめ「イケてるじゃん」とつぶやきました。
 
それを見て、秀才タイプのうさ子がひらめきました。「1人でみんなを食べるのよ!」
 
すぐに代表うさ子が皆を食べはじめました。「苦ッ」「甘ッ」「渋ッ」「トロピカーナッ」「臭ッ」
 
全員を食べた代表うさ子は、なぜか2倍に巨大化してました(当社比)。
 
上半身は6つに割れています。色はレインボーのままです。
 
「じゃあ、下半身つながったままお互いを食べたら一つにならないかしら?」秀才うさ子が言いました。
 
「ケッ、調子こいてんじゃねーよ、うさ子のくせに!」不良うさ子は秀才うさ子にケンカを売りました。
 
「……ふっ」秀才うさ子改めイヤミうさ子はバカにした笑いでケンカを買いました。
 
「君は知ってるかい?剣はペンより強」「うさ子パンチ!!」「ボヘミアァ~~ンン」あっさりKO。イヤミぐったり。
 
「あらあら、ここで寝ちゃカゼひくわよ」おばちゃんうさ子はイヤミに毛布をかけました。
 
「口が6個なのに胃は1つしかないとおデブになっちゃうよね~?」天然うさ子は関係ないことを言っています。
 
「あらいいじゃない?おいしいものがいっぱい食べられるから」おばうさ子は天然うさ子に同調しました。
 
「あら、おもしろいコね、お友達になりましょう」「ええ、そうしましょ」他のうさ子たちをよそに2匹は
 
夕日に向かって涙を流しに行こうと、にゅるりと分裂し去ってゆきました。
 
海岸についた2匹。「なんてステキなんでしょう…」「ええ、ホント…」号泣で海の水が増える程です。
 
のこりの4人はそのふたりの姿に感動して、海の水を飲みはじめました。
 
水を飲みほした4人のうさ子はぶくぶくに太り、スライム状になりました。
 
4人うさ子スライムが天然うさ子とおばうさ子を包みこみ、海底深くに冒険に行きましたとさ。

T-024

今日のうさ子はとってもハイです。ハイついでにウーロンハイを飲んでいます。
 
「かはぁーーッ、ウマイ!ウマイよー」叫ぶうさ子。しかし電車の乗客はイヤがっています。
 
神田さん(海山商事係長・48歳)は特にうさ子に対し嫌悪を感じていました。
 
神田さんは今日、会社の上司の接待でただでさえキレ気味でした。
 
「うさ子!昼間からウーロンハイとはけしからん!!ワシにも飲ませろー!!」キレついでに神田さんも仲間入り。
 
2人のプチ宴会がはじまりました。電車も仲間に入りたそうです。
 
「こーなったら一蓮托生よーっ!」うさ子ほか47名の酒もりがはじまりました。
 
しかしおつまみがありません。「つまみ出せー!!」数人つまみ出されて残り39名。
 
見るに見かねて運転手が「お客様の中でおつまみはいらっしゃいますか?」と言いました。「私です」とうさ子の隣の
 
島崎君(ファミレスバイト中の21歳さわやか青年)が挙手をしました。
 
不覚にも手を挙げてしまった島崎君は他の客のおつまみにされてしまいました。
 
「グッ!!テイストゥ♡」あまりのおいしさに客が2人彼方へ飛びました。残り37名!
 
しかし37人に島崎君1人は足りません。暴動が起きて16人放り出され、のこり21名。
 
ここで「ブラックジャアーック!!」と21という数字に反応してか神田さん大胆発言。が、普通に流されて神田氏号泣。
 
神田氏の号泣っぷりに7人が号泣しました。このままでは車内に涙のプールができます!
 
あわてた車掌は緊急扉を開けました。水が流れ出ると同時に、5名が退場。残り16名。
 
水びたしの車内の乗客の中で水ぶくれ(飲みすぎ)になった者が2名脱落。残り14名。
 
残された14名は口ぐちに言いました。「これはバトルロワイヤル!?」
 
「そう、最強の者のみが、運転手のイスを手に入れられるのよっ!」うさ子が叫びました。
 
「え、じゃあ今だれが運転してんのさ」と乗客の1人が言いました。ハッとする数人。
 
「実はア・タ・スィ」なんと、うさ子が念力で車両を動かしてるではありませんか!
 
「そうか!あのピンクの物体を倒せば、運転手の座を…!!」神田さんやる気満々です。
 
残り14名がいっせいに運転席へ殺到!先頭は神田です。
 
ドカーン!!14人の突撃で、運転席はとんでゆきました。
 
「…あらましょーがない。でもまだ車掌のイスがあるわっ!」「まだやるんかいっ!」
 
「やるわよ!やらいでか!わしゃ男に、本物の男になっちゃるけぇのー」うさ子は跳んだ。エレガントに。
 
その跳びっぷりは宇宙新を狙える程の見事な跳びっぷりでした。
 
「よし!わしも跳んでみせる!!」神田さんは残りの12人を土台にして跳びました。
 
ところがバスの天井に飛びうつった程度のジャンプでした。
 
神田さんは天井にはりつき、クモのようにすばやく移動しました。
 
のこりの12人もつられて跳んでみました。神田さんよりはるかに高いので神田さんはYou are shock!
 
さあ天井クモレースの始まりです。若干出遅れた感のある神田さん、まき返しなるか!?
 
神田さんは渾身の力をふりしぼり、命を燃やしました。ていうか燃えました。
 
結局うさ子の1人勝ちで、うさ子は残りの人生を車掌として歩んだのでした。

T-023

今日は雲ひとつない良い天気。なのにうさ子は大変ご機嫌ななめです。
 
それもそのはず、目がめちゃくちゃかゆいのです。「きー!!花粉症なんてイヤー!!」
 
うさ子の家にはゴーグルはおろか、マスクすらないのです。そこでうさ子はマスクを探しに出かけました。
 
うさ子のマスクは、普通のマスクでは花粉症の防衛にはならないのです。
 
仕方がないので、先日防衛したチャンピオンベルトを使うことにしました。
 
「う~ん。ベストフィット♪」でも通気性最悪なので呼吸できません。
 
「このベルトはもうダメね」うさ子は新しいベルトを奪いに出かけました。
 
手はじめに、カンガルーのイノウエ君が持つ、ライト級のベルトを奪いに行きました。
 
「手を上げて、おとなしくそのチャンピ『ョ』んベルト、渡しなさい!」うさ子はささやき
 
をもらいました。イノウエ君は、ささやきのライト級現チャンピョンなのです。
 
「そう簡単には渡さんにょーー!!」イノウエ君はおもむろにカスタネットを取り出しました。
 
「ふっ、それはお見通しよ!」うさ子はトライアングルを出しました。「むぅ、やるな!」
 
こうして打楽器によるやかましい対戦がはじまりました。うさ子が優勢のようです。
 
「くっ…なかなかやりおるわい…」イノウエ君は老いた口調で長い台詞のような舌打ちをしました。
 
「ていうか楽器でささやきが聞こえないわよ!」うさ子は怒り
 
トライアングルをイノウエ君のカスタネットに投げつけました。次はアカペラ対決のようです。
 
「どう?あなたにこれができて?」うさ子はドラムセットを鳴らしはじめました。アカペラで。
 
「んなもん、ワシの十八番じゃい!」イノウエ君はボイスパーカッションで対抗しました。うさ子はたじろぎました。
 
イノウエ君は3分ボイパをやり続けましたが、おもいっきり舌をかんでしまいました。調子こいてたようです。
 
「ふふっ。これならベルトは私のものになりそうね」うさ子はほくそえみましたが
 
イノウエ君の周りを親衛隊が取り囲んでいます。うさ子もこれでは手が出せません。
 
手が出ないかわりに足が、目が、口が、うなじが、愛が出ました。親衛隊もイチコロです。
 
もだえ倒れる親衛隊の中にシラフで立つ影が一つ!…言わずもがなのイノウエ君です。
 
イノウエ君は親衛隊をうさ子にとられてだだっ子になっていました。
 
「うおりゃー!!だだキック!!」…だだとは、イノウエ君の心のヒーロー。おじいちゃんです。
 
うさ子は親衛隊を盾にして防御しました。
 
しかし防御しきれず、うさ子似もダメージです。「やったわね~!」
 
「そっちがそれならこっちはウダチョーップ!!」ウダとはうさ子の耳に住む微生物の名です。
 
「やられた…まさかウダ様の技をマスターしておられたとは…」イノウエ君は急に卑屈になりました。
 
だだとウダは実は師弟関係だったのです。お約束ですね。
 
「ウダ様の力をものにしているのなら仕方ない」イノウエ君はチャンピ『ョ』ンベルトをはずしました。
 
ベルトをはずしたとたん、イノウエ君は突然マッチョな身体(ボデー)に変身しました。
 
うさ子はベルトをうけとり、口にあてました。その途端!
 
うさ子は木端微塵に飛び散りました。むしろうさ子がミジンコになりました。
 
それを見たイノウエ君は、ほほを赤らめながら帰路についたのでした。

T-022

うさ子の目覚めはコーヒーから始まります。
 
それも漢(オトコ)なブラックです。砂糖やスジャータなど邪道です。
 
うさ子が漢かどうかは別にして、牛乳よろしくコーヒーを一気飲みしたうさ子は、
 
「くっはぁーーーー~~!!この一杯のために生きてるよなぁ~~!!」とつぶやきながら…
 
朝のおつとめをすることにしました。それはうさ子が毎朝欠かさずやっているという例のアレです。そうです。
 
「窓をあけて、外に向かって『ヱツ子さ~ん』と叫ぶんだったわ!」
 
そして窓を開けて叫ぶ直前、うさ子は視界の片隅に気になるブツを発見しました。
 
「ああ!!つむりちゃん!?」つむりちゃんはうさ子の数少ない友人の1人です。
 
つむりだからといってかたつむりではなく、ゲートボール仲間の老婆(77)です。
 
「つむりちゃん、調子はどう?」「押忍!そりゃもう絶好調っすよー!!」つむりはスティックをふりまわしました。
 
しかし、よくよく見るとふりまわしているのではなく、スティックを軸にして、つむりちゃんがまわっているのです。
 
つむりちゃん絶好調!!いつもより余計に回っています。
 
うさ子はそんなつむりちゃんを見て何故かだんだんいたたまれなくなってきました。てゆーか泣けてしまいました。
 
「いいの、もういいの。つむりちゃん、もういいのよ」うさ子はつむりちゃんをきつく抱きしめました。
 
うさ子はそのままつむりちゃんを吸収してしまいました。おかげでしわしわです。
 
っていうか、老婆なのでもともとしわしわです。
 
あまりのしわしわさにうさ子もしわしわになってしまいました。
 
身の危険を感じ、うさ子はしわしわをつむりちゃんに返しました。と思ったらカウンターではねかえされました。
 
2乗倍されたのでしわしわすぎて目がどこかわかりません。
 
「あぁ…。目が…目が見えない」うさ子は部屋をふらつきました。
 
壁に今にもぶつかりそうなその時です!!奇跡がおきました。
 
そう、うさ子は窮地に立たされた時、一度だけミラクルパワー(死語)を出すのです。
 
うさ子は半透明になり、壁の中に溶け込んでいきました。
 
うさ子は闇の世界に葬られ(?)、つむりちゃんは1人取り残されてしまいました。
 
でも、つむりちゃんは悲しんだりしません。だって…
 
つむりちゃんは「弐代目、うさ子蔵」として、しあわせに生きることになったんですもの。

T-021

うさ子はこの前、星にお願い事をしました。
 
その願いとは「立派なうさ子になれますよーに」という簡素な願いでした。
 
するとうさ子が願いをかけた星がうさ子に向かっておちてきました。
 
その星は大きいながらも星としては未熟な星です。うさ子の願いはかなえられそうにない
 
ように思えましたが、その大きな星はうさ子にむかってこう言いました。
 
「うさ子や、お願いとゆーのは突拍子なものをした方がいいのだぞ?!立派なうさ子は努力しだいでできる
 
のだ。」「そーいうえらそうな口調で言って!アンタうさ子のお願いかなえる気ないでしょ!?」
 
「そ…そんなことないぞよよ…!!」星はとまどっています。
 
「そ、そうじゃ!なにか欲しい物を3つだけかなえよう。ものじゃぞ?!いいな。」と星は続けました。
 
「それじゃ、まず『立派なうさ子になれるステッキ』。もうひとつは『立派なうさ子になれるステッキ』。さいごは
 
『立派にしてくれるごんぞうじいさん』!この3つをくださいな」
 
「ごんぞうって誰じゃーー!?」星は言い、「よ…よし、どうにかやってみようではないか」冷や汗を流しながら、
 
その辺にある泉に「すみません、2千円で出てきてください」と頼みました。どうやら呪文のようです。
 
「うるぅああ~!!オレはそんなに安くねェぞ!!1964円にしろぉ!!」と泉から返事が来ました。
 
泉の中から、青スジを立てたフツーのじいさんが顔をのぞかせました。その途端、うさ子は
 
2年前に生き別れになったうさ子になりそこねたじいさんを思い出しました。
 
「おじぃさああぁぁ~ん!!」うさ子はおじいさんにラリアットをくらわしました。劇的再開です。
 
「うさ…ぐはぁ!!」じいさんはラリアットをくらって、もんどりうって倒れました。
 
「あたい、うさ子になったよ!上司うさ子にセクハラされてもあたい、耐えてきた。おじいさんの
 
ことが好きだから!!」愛の告白をするうさ子。でも泉のじいさんには何の関わりもありません。
 
「なんか…そんなことがあったようななかったような…のう、ばあさんや。」星に向かって言いました。
 
星はどうやら聞いてない様子です。チョロQに乗って遊んでます。もちろんチョロQはコナゴナです。
 
「あたいはうさ子になるために10年頑張ったってーのに、じいさん!あんたは泉で何してたんだ!」
 
「ムシして話してんじゃねえよ!淋しいじゃんかよぅ!」星は泣きながら、うさ子とじいさんに訴えました。
 
うさ子とじいさんはとりあえず星の血の涙を集めました。たくさんためて酒盛りをするつもりの様です。
 
「オレの涙をもてあそんだなぁ!!くそぉ!!もうお前の願いなんか聞いてやんないもーん!」星は怒ってます。
 
「泉に頼んでたからうさん臭いとは思ってたのよねー。」うさ子はジト目で星を見つめました。
 
星はそのジト眼に耐えきれず、空に帰ろうとしました。
 
「そうはさせるか!!」と叫んだのはじいさんでした。何故なら1964円をまだもらってないからです。
 
すると星は言いました。「うさ子さん、後日返しますので、3964円貸してください。」
 
うさ子の社会は全て物々交換で成りたっているのでうさ子は困りました。
 
「わかったわ!そのかわり『立派なうさ子になれるステッキ』をよこしなさい!」うさ子は条件を出しました。
 
すると星は「ステッキはないが、陰陽師に降霊してもらった、この若者を持っていきなさい。」と青年をうさ子にあげました。
 
青年はうさ子を見るなり、「あなたは立派なうさ子にはなれない」と非情なセリフを吐きました。
 
「そっ、そんなぁぁ!!!!」ショックを受けたうさ子は青年をボコ×2にしました。力技に出たようです。
 
青年は負けじとうさ子にビンタをかましました。往復で20回ほど。
 
その時です!うさ子の背中がぱっくり割れました。立派なうさ子になる為の羽化のようです。
 
そして割れ目からは新うさ子が出て来ました。色は生まれたてなのでまだ黒いです。
 
しかし、新うさ子は割れ目が短いために脱皮できずにもがいています。
 
星とおじいさんは脱皮を手伝ってあげました。2人は新うさ子を力の限りひっぱりあげ
 
ました。が、出てきたのは頭なしのうさ子でした。頭は皮の中に残っている様子。
 
新うさ子は手さぐりで頭を取り出し、首にくっつけました。前後反対で。
 
新うさ子はうれしそうに空の彼方まで飛んで行きました。春の北の夜空にはこのうさ子の星が見えるそうです。

T-020

ある晴れた雨の日のこと。「くっはぁぁ…」うさ子は大あくびをしながら、屈伸運動をしていました。
 
「暇だわー。九十九里浜にでも行こうかしらー」うさ子は宝くじを眺めながらつぶやきました。
 
宝くじの中にはくず貝がでかでかと輝いていました。その貝を見てうさ子は若い頃苦労したことを思い出しました。
 
そう、それはうさ子の耳がまだ黒色だった頃のこと。雲り空の下、うさ子がくず貝探しの旅に出た時のことでした。
 
すると大きなクレーンでくす玉が釣られているのを発見しました。「まあ、旅立ちを祝ってくれるのねぇ!」
 
うさ子はくす玉を割るべく、岩をそれに投げつけました。それがクマバチの巣だとも知らずに…
 
当然のごとくクマバチはうさ子めがけてまっしぐら。トップブリーダーもビックリです。
 
「くっくっくっ…。甘いわね。このワタクシを誰だと思ってるの!?」うさ子は苦笑しながら、クマバチを華麗に避けました。
 
しかしクマバチもしつこくうさ子の愛らしいエクボめがけて突進してきてます
 
「くらえっ」うさ子は首からハチめがけて煙を吐きました。ハチのくん製のできあがりです。
 
ハチのくん製はうさ子の村の珍味です。牛乳臭いところが村中のクモたちに大人気です。
 
くん製にクモが群がります。思わずのけぞるうさ子。「キャー!クモだわー!」
 
そこでうさ子はククレカレーでカレーまんを作ってクモの群れに投げ入れました。
 
しかしクモは苦労して作ったカレーまんを踏んづけ、黒い群はうさ子に近づいてきました。
 
「このクモどもめ!私の作ったカレーまんは食えねぇってか?」うさ子はキレ気味です。
 
クモたちはあっさりうさ子に謝り、お詫びにマークの靴(韓国製)を3足渡しました。
 
しかし靴はどれも22.5くらいで、26くらいの足には履けませんでした。
 
「履かぬなら、履くまでまとう、ホトトギス」そう言ってうさ子は、クモたちを靴の中に閉じ込めてしまいました。
 
「…その後、どうだったかしら…」うさ子の、九九もバッチリの脳にも、それ以降の事は記憶されていませんでした。
 
「そうだ、椅子でくるくる回るんだったわ」うさ子はくるくる回る椅子を探しにいきました。
 
くるくる椅子を探しに行ったうさ子は、途中で誤って食べた木の実のせいで今までのことを忘れ帰宅しました。
-完-

T-019

今日のうさ子はノリノリです。なぜなら…
 
大好物のキムチなべ(ぎょうざ入り)を10人前食べたからです。
 
しかしそのおかげで人前に出られません。1人でひっそりとしています。
 
するとそこへギョウザダンサーのMr.スペアナが現れました。
 
Mr.スペアナさんがうさ子に向かって言いました。「ギョウザ・スキ・トキメキ・ブギウギ?」
 
「は?ていうかダレ?」とうさ子。
 
Mr.スペアナは華麗なダンスを見せつけながら名乗りました。「私は
 
第4649回キムチ・チゲ早食い競争チャンプ---Mr.スペアナ(仮)よっ!!」
 
「しらねーよ。アンタ帰れ」とうさ子はくるりと方向転換しましたが、ここはうさ子の部屋
 
のようで実は保健室だったので、うさ子は行き場が判りません。そこで
 
「アンタしかいないから聞くけど、こっから青森のりんご園へはどっち?」とMr.スペアナに
 
聞くと、Mr.スペアナは「こっちだけど…」と右の方を指しますが、
 
指先は上を向いていましたので、うさ子は「オッケィ!!」と言って飛び上がりま
 
せんでした。そして思いっきり右ナナメ45度の角度で地中へもぐってゆきました。
 
ズゴモモモ…と効果音が入ります。
 
…と思いきや、その音はMr.スペアナの耳から発せられていました。
 
そして目玉からはさりげなくですが、マジンガーZのテーマが………うさ子は不気味に
 
キュピーンと目を光らせます。この曲を聞くと条件反射なのです。
 
その光は、Mr.スペアナの心をとらえました。「おおお…!!」
 
とおたけびをあげたと思ったら、Mr.スペアナが急にコサックダンスを踊りながら
 
ぐるぐる回転しながら宙を浮き始めました。
 
「これでりんご園に行けるわ!!」うさ子は嬉しそうです。
 
そしてMr.スペアナの教えをやぶって、とりあえず左に3時の方向で歩きはじめ
 
たところで「きゃあっ」……落とし穴があったようです。
 
「ふっ…ふはははは!!かかったな!うさ子!!いや、王!!」
 
「なにぃ~私が王と知っている、そこのダンディーでオッチョコチョイそうなアナタは…!
 
誰なんだー!!」
 
Mr.スペアナはニヤリと笑いました。「ふっ。俺こそが…俺こそが
 
世界一皿洗いが早い男(ギネス認定)陳・チョレギ・タコス・539(ゴサク)だー!!
 
知るかー!!っていうかMr.スペアナと陳(以下略)とどっちなんだよ!!」
 
「何を1人で言ってるのかしら…」1人で燃えるMr.スペアナを横目にうさ子はクールです。
 
あまりにクールすぎて、気づけば周りは氷河期になっています。
 
「ばびゅーっ。寒っ」うさ子は凍ってしまいました。動けません。
 
Mr.スペアナは、自らの炎でうさ子をとかしました。優しく微笑むMr.スペアナ。
 
そんなMr.スペアナをうさ子は空腹のあまり食べてしまい、1日が過ぎました。

T-018

ぴーかん照りの空の下、うさ子はとある緑色の丘の上で青空をぼへーっと眺めていました。
 
しばらくしたら空の向こうから赤と白の丸い物体がうさ子めがけて飛んできました。
 
「あ、あれは黒田くん!?」うさ子は真っ赤になって飛びあがりました。
 
しかし青い空に飛びあがった勢いでうさ子は黒田くん(らしき物体)にぶつかってしまいました。
 
ぶつかった拍子に、うさ子の頭の周りを赤い星が飛んでいます。
 
「何すんの、痛いじゃないのよー」うさ子は真っ青になりながら怒りました。
 
するとまわりを飛んでいた赤い星が変形して黄金色の大根になってしまいました。
 
大根は桃色吐息を吐きながらうさ子にこうささやきました。
 
「赤い紙…青い髪…黄色い神…どれがいい~…?」
 
「そうね、じゃあ思いきって群青色の女将にするわっ」とうさ子は全く意味不明な事を答えてしまいました。
 
「あなたのような正直者にはこの利休鼠色の裃をあげるわ」そして大根は飛んでいきました。
 
置いてきぼりの黒田くん。真っ白に怒って帰ってしまいました。
 
黒田くんが帰ってしまったのでうさ子はしょうがなく山吹色の石鹸を作る事にしました。
 
まずうさ子は、そこらに生えているパッションピンクの草を鍋にいれました。
 
この草はうさ子の好きなビリジアン絵の具の味がするのです。少々まずい味がたまらなく好きなうさ子は草を悶えるように味わいました。
 
するとどうでしょう。うさ子の体は変色し、綺麗なコバルトブルーになってしまいました。
 
それを陰から見ていた一郎さん(黄色の蛙)は「そんな…コバルトブルーのうさ子なんてうさ子じゃない!」とつぶやきました。
 
「しょーがないわね。ならこれでどう?」するとうさ子はハワイアンブルーになりました。
 
驚いた黄金色の一郎さんは、山吹色になってしまいました。
 
それを見ていたうさ子は何故か誇らしげです。一郎さんもつられて誇らしげになったと同時に一郎さんもハワイアンブルーになりました。保護色です。
 
「そんな…人と同じハワイアンブルーなんていやっ!」うさ子は灰色の煙を頭から出して逃走しました。
 
「うさ子はん、待っておくれやすぅぅ!!」一郎さんは真っ赤なバラの花束を持って逃げゆくうさ子を追いかけました。
 
そんな一郎さんのまっすぐな気持ちに気付いたのか、うさ子は足が止まり、ついでに緑の心臓がとまりました。
 
「ぶふぅ!」心臓が止まったせいか、うさ子はダークパープルの血を吐いてその場に倒れこみました
 
しかしその直後、メタリックヴァイオレットに光りながら、うさ子は天に向かって翼を広げ、立ちあがったではありませんか!
 
「おおっこんなことが!メモしておかなければ!」一郎さんは持っていた金色の折り紙にうさ子のことを書きはじめました。
 
うさ子は「光の翼を使う!」といってピンク色のビームの翼を広げ一郎さんに突撃していきました
 
一郎さんは「ボクの胸に飛び込むのはやめて!」と言って黒い土の中に逃げ込みました。
 
「ふっ青いわっ!」うさ子は一郎さんを土からひっぱりました。「ぴくみ~ん!」
 
と、一郎さんは叫びましたが、うさ子の力には勝てません。一郎さんの黄緑色のカツラが取れました。
 
その時です!!一郎さんの頭が白くひかり、全てが白くなりました。もちろんうさ子も真っ白に萌え尽きています。
 
白色の世界の中で、うさ子は混乱気味です。一郎さんもカツラが取れて混乱気味です。
 
うさ子は真っ白の世界で置いてあったリングの上の椅子に座って「燃え尽きたぜ…真っ白にな…」と言ったのです
 
そう…、無色透明になりながら、そう言ったのです…。

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