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T-025

ある森の奥。「七色うさ子」と書かれたカンバンの立つこの小屋に、うさ子は住んでいます。
 
七色といっても七人いるワケではありません。1人でレインボーです。目によくありません。
 
うさ子本人の目にもよくありません。そこで作戦をたてました。それは…
 
赤、オレンジ、黄、黄緑、緑、青、紫の7人に分裂するというものでした。
 
うさ子は自分を遠心分離機にかけて分裂しようとしました。
 
材料は小麦粉300gに黒うさ子の涙1滴です。1滴=300ウサロマンスだと考えてください。
 
うさ子は資料と材料をかかえ、地下実験室へおりました。
 
そして遠心分離機改めコインランドリーに小麦粉を入れ、涙を入れ、自分を入れてスゥイッチ、オン!
 
『うんがろうんがろうんごろぼっこんぎゅるるる』七人になったと思ったら8人になってました。
 
しかも8人ともレインボーカラーです。
 
8人になったうさ子は、公衆電話BOXに自分をつめ込み、もとに戻そうとしました。
 
公衆電話BOXははじけ飛びました。もうポロリどころの騒ぎではありません。
 
部屋中がピッコロピッコロ鳴っています。収拾がつきません。
 
「じゃあ集合!」「ピッコロピッコロ…」「うるさい!今から合体する方法を考えます!」マジメキャラの1人が言いました。
 
「合体といえば…組み体操?」8人はピラミッドを作りました。
 
うまくいきませんでした。そこで1人のうさ子が別のうさ子を食べてみました。
 
上半身が2つに割れ、キメラ状態になったうさ子は
 
その汗で光る肢体をくいいる様にまじまじと見つめ「イケてるじゃん」とつぶやきました。
 
それを見て、秀才タイプのうさ子がひらめきました。「1人でみんなを食べるのよ!」
 
すぐに代表うさ子が皆を食べはじめました。「苦ッ」「甘ッ」「渋ッ」「トロピカーナッ」「臭ッ」
 
全員を食べた代表うさ子は、なぜか2倍に巨大化してました(当社比)。
 
上半身は6つに割れています。色はレインボーのままです。
 
「じゃあ、下半身つながったままお互いを食べたら一つにならないかしら?」秀才うさ子が言いました。
 
「ケッ、調子こいてんじゃねーよ、うさ子のくせに!」不良うさ子は秀才うさ子にケンカを売りました。
 
「……ふっ」秀才うさ子改めイヤミうさ子はバカにした笑いでケンカを買いました。
 
「君は知ってるかい?剣はペンより強」「うさ子パンチ!!」「ボヘミアァ~~ンン」あっさりKO。イヤミぐったり。
 
「あらあら、ここで寝ちゃカゼひくわよ」おばちゃんうさ子はイヤミに毛布をかけました。
 
「口が6個なのに胃は1つしかないとおデブになっちゃうよね~?」天然うさ子は関係ないことを言っています。
 
「あらいいじゃない?おいしいものがいっぱい食べられるから」おばうさ子は天然うさ子に同調しました。
 
「あら、おもしろいコね、お友達になりましょう」「ええ、そうしましょ」他のうさ子たちをよそに2匹は
 
夕日に向かって涙を流しに行こうと、にゅるりと分裂し去ってゆきました。
 
海岸についた2匹。「なんてステキなんでしょう…」「ええ、ホント…」号泣で海の水が増える程です。
 
のこりの4人はそのふたりの姿に感動して、海の水を飲みはじめました。
 
水を飲みほした4人のうさ子はぶくぶくに太り、スライム状になりました。
 
4人うさ子スライムが天然うさ子とおばうさ子を包みこみ、海底深くに冒険に行きましたとさ。

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