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T-018

ぴーかん照りの空の下、うさ子はとある緑色の丘の上で青空をぼへーっと眺めていました。
 
しばらくしたら空の向こうから赤と白の丸い物体がうさ子めがけて飛んできました。
 
「あ、あれは黒田くん!?」うさ子は真っ赤になって飛びあがりました。
 
しかし青い空に飛びあがった勢いでうさ子は黒田くん(らしき物体)にぶつかってしまいました。
 
ぶつかった拍子に、うさ子の頭の周りを赤い星が飛んでいます。
 
「何すんの、痛いじゃないのよー」うさ子は真っ青になりながら怒りました。
 
するとまわりを飛んでいた赤い星が変形して黄金色の大根になってしまいました。
 
大根は桃色吐息を吐きながらうさ子にこうささやきました。
 
「赤い紙…青い髪…黄色い神…どれがいい~…?」
 
「そうね、じゃあ思いきって群青色の女将にするわっ」とうさ子は全く意味不明な事を答えてしまいました。
 
「あなたのような正直者にはこの利休鼠色の裃をあげるわ」そして大根は飛んでいきました。
 
置いてきぼりの黒田くん。真っ白に怒って帰ってしまいました。
 
黒田くんが帰ってしまったのでうさ子はしょうがなく山吹色の石鹸を作る事にしました。
 
まずうさ子は、そこらに生えているパッションピンクの草を鍋にいれました。
 
この草はうさ子の好きなビリジアン絵の具の味がするのです。少々まずい味がたまらなく好きなうさ子は草を悶えるように味わいました。
 
するとどうでしょう。うさ子の体は変色し、綺麗なコバルトブルーになってしまいました。
 
それを陰から見ていた一郎さん(黄色の蛙)は「そんな…コバルトブルーのうさ子なんてうさ子じゃない!」とつぶやきました。
 
「しょーがないわね。ならこれでどう?」するとうさ子はハワイアンブルーになりました。
 
驚いた黄金色の一郎さんは、山吹色になってしまいました。
 
それを見ていたうさ子は何故か誇らしげです。一郎さんもつられて誇らしげになったと同時に一郎さんもハワイアンブルーになりました。保護色です。
 
「そんな…人と同じハワイアンブルーなんていやっ!」うさ子は灰色の煙を頭から出して逃走しました。
 
「うさ子はん、待っておくれやすぅぅ!!」一郎さんは真っ赤なバラの花束を持って逃げゆくうさ子を追いかけました。
 
そんな一郎さんのまっすぐな気持ちに気付いたのか、うさ子は足が止まり、ついでに緑の心臓がとまりました。
 
「ぶふぅ!」心臓が止まったせいか、うさ子はダークパープルの血を吐いてその場に倒れこみました
 
しかしその直後、メタリックヴァイオレットに光りながら、うさ子は天に向かって翼を広げ、立ちあがったではありませんか!
 
「おおっこんなことが!メモしておかなければ!」一郎さんは持っていた金色の折り紙にうさ子のことを書きはじめました。
 
うさ子は「光の翼を使う!」といってピンク色のビームの翼を広げ一郎さんに突撃していきました
 
一郎さんは「ボクの胸に飛び込むのはやめて!」と言って黒い土の中に逃げ込みました。
 
「ふっ青いわっ!」うさ子は一郎さんを土からひっぱりました。「ぴくみ~ん!」
 
と、一郎さんは叫びましたが、うさ子の力には勝てません。一郎さんの黄緑色のカツラが取れました。
 
その時です!!一郎さんの頭が白くひかり、全てが白くなりました。もちろんうさ子も真っ白に萌え尽きています。
 
白色の世界の中で、うさ子は混乱気味です。一郎さんもカツラが取れて混乱気味です。
 
うさ子は真っ白の世界で置いてあったリングの上の椅子に座って「燃え尽きたぜ…真っ白にな…」と言ったのです
 
そう…、無色透明になりながら、そう言ったのです…。

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