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T-130

あの日 あの場所 あのキッチンで あれを入れなければ…。
 
うさ子は頭を抱えてうずくまっています。今日のメニューに重大な間違いを見つけたからです。
 
大好物のカレーにシチューの素をうっかり入れてしまったのです。
 
しかもすかさずカレールーまで入れてしまったため、こってりしていたのです。
 
なんか、ぬっちゃぬっちゃになってしまいました。これは何なのだろう。
 
とにかく水を足して薄めよう。その場しのぎの一手がなんと
 
レインボーカラーの三ツ星ルーに早変わり。「ねるねるねるねに匹敵するわね」うさ子も感心。
 
もっと練ると色が変わって、煎じて食べると…「まずい!!」
 
そのせいでキッチンまですごい色になっていきます。ぐんにゃり。
 
しかしそのキッチンを食べると…「うまい!!!」
 
テレレッテレー
 
味覚レベルが1段上がるSEと共に、舌が一回り大きくなるうさ子。口からはみ出ます。
 
そこへちょうど勇者がうさ子の家のタンスから物を取ろうと入ってきました。
 
うさ子は思わずおそいかかります。『タンスはタンスまじんだった!』
 
テレレッテレー
 
描写が一切無く倒されたタンスまじんと蘇我氏。うさ子はモノの代わりに台所をふるまうよ。
 
テレッテッテー!キッチンを手に入れた!重量が300kg増えた!身動きが取れない!
 
「さっ、アホは放っといてお夕飯の食材的なものを入手しに行くわよ!!」うさ子は、
 
死にました。幽体離脱して、頭を抱えてうずくまります。そして現在に至るわけです。
 
が、うさ子は死んだことを後悔していませんでした。
 
「ひらくとイタい扉をふまえて、今のワタシが在るのね…」死んだことにさえ割と前向きです。
 
幽体にしか食べられない食材があることを聞いていたうさ子は、本体を残して地中へと
 
もぐっていたらあっさり見つけました。カニカンです。やったー!!
 
やったーよー!!オーーーオオオ♪「はじめてーのー幽!!
 
きみと幽!!アイニーフンフーンフーンラーブ!!なみだーが
 
もらえトゥナーイ きみーときざーみたいフンフフントゥナーフーン」
 
浮かれまくるうさ子。聞こえない歌声、心に響くうさ子。
 
そのレクイエムは天国の皆に届きました。ボツをくらいまくりました。
 
しょうがないのでカニカンを食べました。「うまい!!!!!!」
 
そしてカニカンを食べつつうさ子は思うのでした。「そもそも、シチューが間違っていたんだね」と…。

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