- 2008/12/27
- テキスト
T-148
ある日、トルネードに襲われてしまったうさ子。
円形脱毛症になってしまいました。
うさ子はピンクの毛が抜けたことに驚きを隠せません。
地肌が緑だった事にも驚きが隠せません。
空が青いことにも驚きを隠せません。
トルネードが襲ってきたことに関してはかろうじて驚きを隠しました。
とりあえず、脱毛箇所を隠したいうさ子は、ワッペンを探して家の中を走り回ります。
しかし家の中にはたくあんしかありませんでした。
しかたがないので、たくあんを全身に貼り付けました。
ピンクの毛に緑の地肌、黄色のたくあん…。ショッキングな色合いに驚きを隠せません。
風水的にどうなのか気になる気持ちは隠しません。ドクターの元へ向かいます。
その研究所にはこう書かれていました。『ドキドキ♡ラボ☆ワイリー研究所へようこそ!』
今にもティウンティウンしそうな文字でした。
外から中を覗いてみたら、白ヒゲのおじいさんが倒れていたので、
スルーしました。
スルーしたうえで中に入って、最初にあった赤いボタンをポチッと押して脱出。自爆装置です。
ワイリー研究所は見事に散りました。そして、その隣にあるドクターの家を訪ねました。
ドクターは留守でした。かわりに助手が出てきました。
出てきたのはなんと青ヘルの少年でした。うさ子は驚きを隠しました。
青ヘルの少年は、自分がトルネードを発生させた張本人だと自白しました。
「ごめんね」少年は謝りました。うさ子は許しました。
2人でおべんとうを食べました。
少年はE缶、うさ子はおでん缶でした。まったり過ごしていくうちに、うさ子は少年に惹かれていくのでした。
──結婚式当日。
海の見える小さな丘の大きな教会で、2人の結婚式が催され、らーめん缶が振舞われました。
皆、2人の幸せを祝福しています。らーめん缶は正直どうかと思う感情を押し殺して。
「2人の出会いはトルネードから始まりました」2人の馴れ初めが語られます。
「事故を起こした張本人と被害者が手を取り合っての縁結び。すばらしい!!」
それを聞いてうさ子は、円形脱毛症が治っていないことを思い出しました。
うさ子は意を決して少年に告白しました。
少年はそれを受け入れましたが、逆にうさ子がどん引きしました。
2人をよそに式は終わり、新婚旅行出発の日。
またもトルネードが。そう、すべての始まり、トルネード。
そのトルネードが2人を乗せて海の向こうへ連れて行きます。2人を祝福しているかのようです。
気がつくとそこはうさ子の家。2人はトルネードから貰った、家ぎっしりのたくあんをほおばり、幸せに暮らしましたとさ。