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T-157

あるところに、うさ子という名のウサギのような宇宙人がいました。
 
うさ子はススキナのスナックで、牛乳の水割りを作ることをなりわいとしていました。
 
これがまた絶妙なまでに微妙な味わい。うさ子は修行することにしました。
 
うさ子はお隣のマキノさんのうちにご厄介になりに行きました。「TANOMOH!」
 
「KAERE!」一刀両断です。
 
「SONNNAKOTO IUNAYO!!」泣きたくなりました。
 
すると「っていうか何カタコトで泣いてんの」マキノさんはうさ子をハメました。ハメリアダイアモンド
 
とかいうのが頭に浮かぶうさ子。上の空です。マキノさんはあきれてドアを閉めました。
 
そう、マキノさんはあきれてドアを閉めてしまったのです。
 
「しまってしまったドア…プフッ」うさ子は、ひとりです。
 
それを見かねたマキノさんの旦那さんは、マキノさんに「おい、あんまりじゃないのか」と言いました。
 
そう、旦那さんも、あきれてしまったのです。
 
「…あなた、ずいぶんとうさ子の肩を持つのね」
 
マキノさんはムッとしましたが、旦那さんはうさ子にあきれていたので、キョトンとしています。
 
所変わってここはススキナのスナック。うさ子が昨日までいたところです。
 
店員でもないのに、カウンターに入っては牛乳の水割りを客に押し付けていたうさ子がいなくなり、オーナーは一安心。
 
お隣にまで嫌がらせをしようとしていたことには気づかないフリです。
 
…と、その時です。オーナーは自分の手がうさ子のようになっていることに気がつきました。
 
その手は、牛乳と水を扱うことに最適な状態にカスタマイズされているのです。
 
気がつくとオーナーは、水と牛乳を手にしていました。そして、
 
耐え切れず、両手をぶんぶん振り回します。牛乳も水も、あまり好きではないのです。
 
すると、牛乳はチーズになってしまいました。
 
水は氷になってしまいました。
 
木々は枯れ、人々は生きる気力を失ってしまいました。
 
「それもこれも、オーナーが、オーナーの…オーナーのせいなのよおっ!」悲痛な叫びです。
 
「争いごとは、おやめなさい…」人々を諭したその声こそが、悟りを開いたうさ子でした。
 
ぶっちゃけ悟りなんて開けてないんですけどね。
 
でもごまかすことに意義があるんだ!!
 
人々は争いの標的をうさ子にロックオンしました。
 
うさ子は牛乳の水割りを人々に浴びせて迎撃します。
 
それを止める人影が…!そう、マキノさんです。
 
両手にウイスキーと焼酎を持っています。
 
そしてそれを浴びるように飲むと、すっかりいい気持ちになって寝てしまいました。
 
「チャンス!」うさ子はマキノさんに牛乳の水割りを飲ませようと近づきました。
 
しかし、一瞬の隙をつきうさ子の水割りを叩き落すマキノさん。修行は、まだ始まったばかりなのです…。

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