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T-172

隣国の重要な情報を盗んでくるのが今日の仕事。そう、今日のうさ子はスパイなうさ子。
 
赤ちゃんをハニートラップで誘い込み、今日の特売品の情報を聞き出すのです。
 
ところがどこからか情報が漏れていたため、囲まれてしまっていました。
 
しかし赤ちゃんたちを相手に手加減をしないうさ子。たちまち
 
「おとなげない」称号を手に入れてしまいました。
 
しかも赤ちゃんがぐったりしたり夜泣きしたり寝返り打ったりで情報が聞き出せません。
 
「ダダァ…」子どもの無垢な目がうさ子の心を射抜きます。
 
心にぽっかり穴が開いてしまったうさ子。
 
その穴を埋めるかのように、セメントを塗りたくります。
 
近くを通りかかった田山さんが発見しました。「うさ子が石化してるぅぅ!!」
 
さっそくゲットし、家に飾ろうとしましたが、赤ちゃんもついてくるので困り果てました。
 
さすがにその辺に置いておくわけにもいかないので、ハスに乗せて川に流しました。
 
ガンジス川の流れは全てを包み込むのです…。
 
流れは巡りめぐり、青いうさ子へと吸い込まれます。
 
そう、そのうさ子は、すべての生きとし生けるものの母…
 
の母の母なる存在でした。ひいうさ子は言います
 
が、赤ちゃんたちはお腹におさまったあとでした。
 
母の母の母なる存在に取り込まれた赤ちゃんは、急速な成長を遂げ、
 
今や立派な引きこもりに。25歳、無職。
 
にいとという立派な名前をもらった彼は、自宅警備員として
 
入り口という入り口にカギをかけ、立派に仕事をこなしています。
 
しかしカギの開け方を忘れてしまい、外に出られません。
 
とりあえず出前を窓から受け取る形で生活はしていますが、いよいよ貯金が尽き、
 
親にたかることにしました。ケータイで親に電話します。
 
「へい、来々軒です!ご注文すか!」実家の番号が変わってしまっていました。
 
「へい、来々軒です!ご注文の品です!」頼んでもいないのにうさ子店員が
 
スシを投げつけました。特上です。
 
その特上ズシのおかげで「生」を掴むことに成功したうさ子。
 
そう、赤ちゃんだった彼は、引きこもっている間にうさ子になっていたのです。
 
しばらくして、様子を見に来た親は、窓から覗き込み愕然としました。そりゃそうです。
 
しかし姿は変わっても我が息子。トーチャンカーチャンの愛は本物です。
 
「にいと!」トーチャンとカーチャンは懇親の力で息子のうさ子をへし折りました。
 
そして双子になりました。元気なおとこの子だよ。
 
そうして双子は今日もトラップを仕掛け、スパイうさ子を待ち構えるのでした。

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