- 2009/10/06
- テキスト
T-184
今日のうさ子は頭にバンダナを巻いたハリキリうさ子です。大掃除をするのです。
しかし家がありません。
あこがれのマイホームをゲットしようとして、いつものパターンで辺り一面焼け野原になっていたのでした。
そこで、大掃除をさせてくれる家を探すことにしました。
焼け野原を後にしたうさ子が最初に見つけた家は、全体的に白く、頑丈そうな柵に囲まれていました。
ですが、家自体はちいさく、さらに家の上に白い犬と黄色い鳥が寝そべっています。
よく見ると屋根は赤く、柵に見えたのは草でした。うさ子は大掃除をさせてもらおうと交渉を始めました。
「ハウマッチアーユー?」
「え、なんて?」犬はきょとんとしています。
「オー イヌシャベットル」うさ子は流暢な英語で続けます。
犬は呆れて小屋に入ってしまいました。
怒ったうさ子は小屋をいぶします。
その表情はさながらいぶし銀です。
数分後、小屋からいぶし銀の犬がでてきました。
鳥は黄金色になっていました。
パリパリでジューシーです。
いぶし銀のふたりは仲良く鳥を食べました。
すっかり意気投合した二人は、夜の街へと繰り出します。
街を大掃除しようと考えたのです。
ほどなくして、二人はパリパリでジューシーになりました。
街には誰もいなくなりました。
プリプリのチャーシューです。
「人類が地球のゴミだったということか」ありがちなセリフを吐きながら登場したのは、
なんか変な顔の人でした。なんか変な顔の人は続けざまに「ひざボヨヨン」と意味不明な事をいうと、「バーカ」と叫んで
カリカリに焼き上がりました。
なんか変な顔のチャーシューです。
改めて現場を見渡すと、なんとそこは食卓ではありませんか。
さっきからひとりでにごちそうが増えています。でもほとんどがチャーシュー。
よく見ると犬やウサギのような形をしたチャーシューもあります。
それらを楽しみにしていた巨大うさ子。今日は巨大うさ子のマイホーム完成パーティーなのでした。
しかしいつまでたっても一人のままです。誰も来ないのです。ひとりぼっちなのです。
結局やけになり、いつもの自暴自棄室内キャンプファイヤーで辺り一面焼け野原。あらたなチャーシューができましたとさ。ひざボヨヨン。