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T-189

うさ子は悩んでいました。悩みが無いことに悩んでいるのです。
 
それはそれは幸せな悩みでしたが、隣にいた哲学うさ子が興味深そうに
 
ボールペンをカチカチカチカチさせつつ
 
悩みうさ子に投げつけました。ボールペンが刺さっても、悩みうさ子は上の空。
 
刺さった場所から血がビュービュー出てるのに気づきません。いや、気を失っています。
 
血が全て出た後、うさ子は閃きます。「そうだ、京都へ行こう」
 
しかし、メキシコから京都へはずいぶん距離があります。
 
とりあえず地面を掘り始めてみます。「……いける!」
 
来る日も来る日もボールペンで地面を掘り続けたうさ子。
 
やがて光が見えてきました。うさ子は地上に出ました。
 
「…ご臨終です」医師の懸命な処置むなしく、うさ子は失血死しました。臨死したうさ子の夢でした。
 
しかしそれは臨死体験、いつの間にか夢の方が現実になっていたようです。
 
結局、うさ子はカナダにいました。
 
「カナダって、どこだったかしら」地図を開いてみるも、それは、名古屋市営地下鉄路線図。
 
頭が魚の、スーツを着た奇妙な生き物が牛耳っていたような?
 
そんな気がします。何度見てもカナダの場所がわかりません。
 
仕方が無いので、車掌の恰好をした魚人に聞くことにしました。
 
「ユーアークレイジイ?」怒り出した魚人。うさ子はよくわからないまま殴られ、
 
訴えました。法に。
 
勝訴しましたよ、うさ子が。
 
今流行の裁判員制度で。
 
袖の下、大活躍。まあ結局うさ子には何倍もの罪が被さるんですけどね。
 
こうして、結果的にパクられたうさ子。
 
無一文なうさ子。仕方が無いのでスリを行う決意を表明し、
 
百叩きの刑が追加されました。
 
うさ子は増えていく罪に悩みました。それと同時に、快感に酔いしれました。
 
悩みが無いという悩みが消えていたのですから!!
 
どんどん罪を増やしていきたいところですが、行き過ぎると死刑なので、それも悩みます。
 
そこで、定期的に全裸になることにしました。
 
「うさ子の悪行」がみるみるうちに更新されます。ファンクラブまでできる始末。
 
いよいよあと一犯で前科百犯。ファンクラブ会員が固唾を呑んでうさ子を見守ります。
 
うさ子の町のシンボルキャラクターのハトに、らくがおをした罪をうさ子が犯しました。
 
狂喜乱舞のファンクラブ会員たちが会場になだれ込みました。
 
全員にボールペンを刺され、悦に浸るうさ子の顔が空に浮かんだ気がしました。

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