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T-193

「今日は、ある依頼を受け、見知らぬ屋敷にやってきた」とうさ子が
 
手旗で伝えてきました。
 
見ていたトメさん(89)は、亡くなった水兵の旦那のことを思い出し、大泣きしました。
 
しかしすぐに泣き止みました。うさ子が近くまでやってきて、
 
わきわきと踊っていたからです。
 
トメさんは、かかっていたレコードを叩き割りました。
 
「けェーい!」空手8段の腕前で、うさ子も蹴飛ばしました。
 
レコードがブチギレたのか、こちらに向かってきます。
 
うさ子も耳を伸ばして追いかけてきました。
 
トメさんも舌を伸ばして迎撃しました。
 
「どひー!」絡め取られたレコードは動かなくなりました。
 
トメさんはそのままムシャムシャとおいしく頂きました。
 
トメさんは耳を伸ばす力と、口からレコードの音色を奏でる能力を得ました。
 
よそいきの服を着た人々の耳には合わなかったようです。
 
ムシャクシャしたので、ビスケットを食べ散らかしました。
 
さらに手の平から甘い粉を出す力を得たトメさんは、喫茶店を開くことを決意しました。
 
うさ子の呼び込みにより、徐々に客が入るようになり…
 
1Kの部屋から5LDKの地下へ引っ越し…
 
世界は核の炎に包まれ…
 
トメさんは甘い粉を出す技術をうさ子へ託すとこの世を去り
 
「デルセト」という名の館で地縛霊となりました。
 
食糧難の時代に、粉を求める人々がデルセトに大挙して押し寄せます。
 
しかしうさ子はケチりました。人々を追い払います。
 
よたよたしながらケリを入れていくうさ子。
 
うさ子のケリの毒牙にかかって息絶えた人々は、シャーマンの黒魔術によって再び息を吹き返してうさ子を襲います。
 
パンパンと尚もケリ続けるうさ子。足がもつれてしまいました。
 
うさ子はそこでセーブしました。
 
核の炎が世界を包む前のセーブデータが残っていたので、そこから再開しました。
 
トメさんから甘い粉を出す技術を託され…どうやら未来が変わり
 
足の裏から辛い粉も出せるようになっているようです。
 
食料には恵まれていた時代でしたが、粉を求める人が大挙して押し寄せます。
 
豊かな時代に嗜好品が流行るのはよくあることです。
 
仕方が無いので、トメさんの後を継ぐことにしたうさ子は
 
水兵の旦那をもらって大泣きしました。めでたしめでたし。

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