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T-205

うさ子はセブンイレブンにかけこみました。
 
今日中に振り込まないと、間に合わない取引があるのです。
 
「A・T・M!A・T・M!」コールと共に走ります。
 
しかしATMは荒く息をするおっさんが脇目もふらず使っていました。
 
うさ子はATMの鏡に映らないよう気をつけながら、おっさんスレスレの位置で
 
舌なめずりをしていました。ギトギトに脂ぎったおっさんがうまそうです。
 
うさ子がたちまちうさ耳をつけたキュートなおっさんのすがたになりました。
 
ふたりは☆フュージョン!!
 
右脳がうさ子で左脳がおっさんです☆
 
「フュージョン、ハッ☆」なんと右脳と左脳がくっついて
 
おさ子が誕生しました。加齢臭を放ち、日曜の朝に居間でくつろぎます。ごろ寝で。
 
「てゆーかキメてるし!!」とおりすがりのギャルがおさ子に声をかけました。
 
「オレの後ろに立つんじゃねェ!!」おさ子は振り向きざまに手に持ったバナナの皮を
 
たべました。シャリシャリ。
 
ハフハフ、ウン、うまーい!
 
おさ子の色はみるみると緑色になり、黄色になりました。熟したのです。
 
茶色になる前に、ギャルはおさ子の皮を剥ぎにかかります。
 
「マジこれウケるんですけど!!止まりません的な!」マジハマリ追い剥ぎランキング1位です。
 
「バ・ナ・ナ!バ・ナ・ナ!」コールと共に剥ぎます。
 
「バ・ナ・ナ!バ・ナ・ナ!」コールしているのは他でもない、おさ子です。
 
しかしコールしていても、しょせん乙女。おっさん乙女のおさ子は目を隠す恥じらいのポーズを
 
なぜか足を『く』の字に曲げて、祈りをささげました。
 
邪神モスコレンツォに。口内炎をつかさどる神なのです。
 
「口・内・炎!口・内・炎!」心の中でコールしますが
 
舌がもつれ「甲・子・園!甲・子・園!」と叫ぶ始末。
 
高校球児たちの白い歯がおさ子の脳裏によぎります。
 
結局振り込みは間に合わなかったことに気づいてしまいました。「白い歯め…!」
 
仕方が無いので振り込み先に直訴しに行きました。
 
「おさ子死すとも振り込みは死せずぅ!!」ちょっと違いますが。
 
おさ子はちょっと満足したのでスキップして帰っていきました。
 
取引は諦めましたが、セブンイレブンには向かいます。
 
でもやっぱりローソンに行くことにしました。カンバン青いし。
 
すると肉のハナマサに着きました。肉がたっぷりです。
 
存分に肉を眺めたおさ子は、満足げに店をあとにします。
 
それをよそに、店にいた別のうさ子が例の取引を無事成功させ、見事ビジネスシンデレラの頂点を掴むのでした。

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