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T-043

大好きなカレーを完食したうさ子。口の周りは米粒だらけです。
 
「口の辺りがやけに痒いわね~」うさ子は口の周りに米粒がついていることに気づいていません。
 
「キッタネーナー。食うなら俺らも残さず食えよ!!」米粒の内の一粒がうさ子に話しかけました。
 
「あらまあ生意気なことこの上ないわねぇ!食糧は黙って食われるヨロシ!」うさ子は答えました。
 
「食べ物の恨みは恐ろしいわよ~」米粒の一粒がうさ子の目に飛びかかりました。
 
「ぎーにゃー!」うさ子は本気で痛がっているようで笑っていました。
 
「くっ…!」バカにされたと感じた米粒は、うさ子の口に飛びかかりました。
 
うさ子はイヤがるどころか、米粒を残らず食べてしまいました。美味です。
 
するとどうでしょう。胃の中に入った米粒たちが一揆を起こしたのです。
 
胃壁を米粒がたたいたり蹴ったり…めちゃくちゃやってます!!うさ子が心配です。
 
「コシャクでござる!貴様ら、拙者を武士と知っての狼藉かッ!?」まだ余裕があるようです。
 
「この背中の遠山桜、見忘れたとは言わせねえ」しかしうさ子の背中にはハイビスカスしかありません。
 
「うっわーすげぇあれハイビスカスってんだぜー」米粒sは妙に感心しています。
 
見えてないのに、見えているふりをしているのに気づいたうさ子は、米粒に
 
元気を思わず分け与えてしまいました、うさ子のうっかりさん♡
 
背中のハイビスカスに感銘を受けた米粒sはうさ子を姉御のように尊びました。
 
「姉御!胃液が襲ってきました!助けてくだせえ~!!」米粒が叫ぶと
 
「あんた達…ッ。いつまでアタシに頼りっきりなんだい!?いつかは親元を離れるもんよ」と
 
口から米粒を外に一粒ずつ出しました。今週のビックリドッキリメカです。「コメ、コメ、コメ、コメ…」
 
「あー、アタイってば思わず米とともに大切なメジャルも出してるぅ」うさ子はかなり焦ってます。
 
メジャルとは、うさ子の体内にある、ドメスティック・バイオレンス・デンジャー略してDVDな物質です。
 
メジャルが無いうさ子はただのうさ子ではなくなるのです。つぶらな瞳がみるみる
 
小さくなり直径1mmの瞳になってしまいました。
 
小さいのに、空気を舞うほこりが邪魔で仕方ありません。あまりの邪魔さに
 
「このホコリめ!あんたら大概ゃぁにしとかなかんがね!」と思わず地が出てしまいました。
 
「うおー姫をお守りするのじゃー」米粒sはほこりに立ち向かいますが、
 
なにせ米粒、ほこりを体中につけてしまい、その重みで次々地面に落ちていきます。
 
ヒュルルルルルルルルルル…ドガッ。地に落ちた米粒を、うさ子は見下ろします。
 
米粒の力尽きた姿を見たうさ子は、「あなたたちの勇姿はムダにしないワ…」とつぶやき、米粒を
 
拾い、お皿に盛り付けました。彼らはきっと明日の食事に使われることでしょう…。

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