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T-052

陸上競技を見に来たうさ子。これから200mハードルが始まるようです。
 
うさ子は、実際見るのが初めてなのでドキドキしています。あまりのドキドキさに
 
心臓と目が、飛び出しかけて戻りつつ、もんどりうっています。
 
スパー!モジャー!のろーん!妙な音と共に暴れるうさ子。
 
そんなうさ子を見ている選手がいました。
 
カール・スロイスと名乗るその男は、うさ子の才能をすでに見抜いていました。
 
「あの女…ひょっとしたら私を超えるハードル選手になるやもしれんのう…!」スロナスはうぅむと唸りました。
 
そんな熱いまなざしに、うさ子はハッと気づきました。
 
「スロナス、もしかして熱あるんじゃない?」うさ子がスロナスの額に手をあてると
 
スロナスはとても驚きました。というのも、うさ子の手は観客席からニョキっと
 
30.29ウサコメガロンほど伸びたからです。
 
「ぎゃー!おっそろしかー!」スロナスはエセ方言リアクションをキメました。
 
「んー。まだまだね。方言マスターになるためには!」うさ子はエラそうに言います。
 
「やっぱり方言はイントネーション命!よね!」と叫ぶと、いきなり彼の口をこじ開けました。
 
「…とは言ったものの…。あなたの喉は方言に向いてないわね…。治療が必要かも」うさ子は首を横に振りました。
 
「よし!私があなたを方言マスターにしてあげるわ!手始めに声帯を取り換えましょう」
 
うさ子の手が、万能手袋のごとく色々な器具に変わると、スロナスの口の中を改造し始めました。
 
うさ子の匠な手さばきにより、見事、スロナスの口の中は生まれ変わりました。リフォームです。
 
「あぁ~お"ら"の"ごえ"、がわ"っぢま"っだだー」スロナスは濁点言葉しか話せなくなり、
 
何故かリフォームの腕が上がりました。新たな匠の誕生です。手頃な家を見つけ、
 
家主に家をリフォームしようと説得し始めました。
 
「私に"ま"がぜでい"だだげれ"ば、一瞬でヂリ"ど化じでざじ上げまじょう"」新しいリフォームの提案です。
 
「我が家の粉末を煎じれば…あの人は助かるんですね!?」お客さんはスロナスの胸倉をつかんでいます。
 
「も"ぢろ"ん"でずだー」スロナスは自信満々。勇気リンリンです。
 
「ではお願いします」家主はスロナスの手を取り、頭を下げました。するとうさ子が、
 
匠な技であの人を見事、助けてみせました。家主はうさ子にお礼を
 
すると思いきや、スロナスをぶん投げてプンスカ怒り始めました。
 
「あの人はあの人でもこの人はあの人と違ってその人のあの人なのよ!」うさ子とスロナスは
 
そんなことを言われて困ってしまいました。仕方がないので家主を飲み込んでしまいました。
 
途方にくれたうさ子は、犬小屋をたててそこにあの人を突っ込み、ここに「リフォーム完了」を宣言するのでした。ギャフン☆

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