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T-054

うさ子がいました。ただのうさ子ではなく、やさぐれうさ子です。今夜は1人寂しく
 
磁石で遊んでいました。「うわあー不思議ー摩訶不思議体験ー」
 
棒に、輪になっている磁石を2つ通してぷかぷか浮かせている内に、うさ子もなんだかトリップしてきました。
 
「フッ。フッフッフッ。アハッアハハハハ~」意味もなく笑い出すうさ子。そこへ
 
一台のベンツが横付けされました。すると中から世界チャンピオンがあらわれ、
 
「ボーイ、ユーのさみしいスピリッツ、ミーの所でハッスルさせませんかー!?」とうさ子に問い始めました。
 
「なんだかわかんないけど楽しけりゃ行きましょ!行きましょ!」うさ子は乗り込みました。
 
「さあ着いたよ」降りるとそこは、わたパチが敷き詰められている通称わたパチプラザでした。
 
「いやああぁぁッ!!優しく包む中に程好い刺激ィィィ!!」1人で遊んでいたさっきより、ずっと楽しくて、心が踊ります。
 
「アハハハ!アハハハ!」花畑を駆け回る女の子のごとく、うさ子はわたパチで遊びまくります。
 
しかしその状況を快く思わない人物がいました。プラザ館長の杉田玄白です。
 
「よろしくない…。あのようなわたパチを粗末にする輩に、このプラザは譲れん!!チャンプの目も狂ったようじゃな」
 
「館長、時代は変わり続けるものです。今はあれが一番の使い方なのです」チャンプは対立します。
 
そんな対立を見てうさ子は「やめて!アタシのために争いなんて程々にして!」と叫びました。
 
「時代…か。ワシはもう、老いすぎたのかもしれんな」「館長、そんなことはありませんよ!」うさ子の叫びが通じました。
 
「よし、わかった!このプラザを君に譲ろう!」館長はうさ子に言い、「それにつきまして…」商談を始めました。
 
「これくらいでいかがでしょう」館長の提示額は58円。しかしそれは決してうさ子には安くありませんでした。
 
「アタシ、うさ子通貨しか持ってないわ…!1億うさ子しか!」うさ子通貨は、1千万うさ子で20円の価値しかありません。
 
「よし、わかった!20円で譲ろう。これなら文句はあるまい」館長が勝負に出ました。
 
「断る!!!!」ブチ切れたうさ子はテーブルを蹴って立ち上がり、わたパチに火を放ちました。
 
「な、ワシのプラザがぁぁ!」「よせ、ボーイ!」館長とチャンプが止めますが、
 
「そんなボッタくったような値段で売りつけられても困るわ!」いつの間にか正気になったうさ子は
 
そう言うと、何かムチョムチョした物にまたがって高速回転をはじめました。
 
「回り始めたら俺は止まらねぇんだよ!」と、そのムチョムチョした島崎は目を血眼にして回り続けます。
 
「光より速く!白い世界に俺を連れて行ってくれ…」うさ子と島崎が光の中に消え
 
ゆく直前で、島崎の兄が銭湯から上がってきた所を現行犯逮捕されましたがそれはそれ。
 
「こんなニセの白い天使たちよりホンモノの天使たちを見に行くわよ!さぁ、行くのよ島崎!」島崎をけしかけます。
 
「ラジャー!♪回る回るメリーゴーランド~」島崎が歌い始めると同時に回り始め、
 
地軸が動きました。
 
こうして今年も無事に冬がおとずれ、趣深い俳人たちが今年もこぞって腕を競うことが出来るのです。劇終

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