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T-057

「はじめまして!アタシうさ子!」にっこりほほえむうさ子。オーディションの練習です。
 
うさ子はエキストラのオーディションで10分の1を狙っています。
 
「よし!これで準備完了♪コンビニ店員Aの座は私のものね!」
 
「フッ。店員Aは譲らないわ」ふと見ると、となりに名も知らぬヒゲ面のオヤジがこっちを睨んでいます。
 
あんまりにもあんまりなんで、ライバル扱いされることすら許せなくなったうさ子は
 
ヒゲツラオヤジをシバキ倒し、トイレに放り込みました。モゴモゴ言うオヤジを尻目に会場に戻るうさ子。
 
「次。うさ子さん。お入りくださーい」ついにうさ子の出番が来ました。
 
「はーい。2043番、ピンクのうさ子です」簡単な自己紹介をしました。
 
「ダメだ!そんなんじゃダメだ!」スッパリ断られたうさ子。次はオヤジの番です。
 
「オヤジさーん!禿げたオヤジさーん!」出てきません。まだトイレでもがいているのです。
 
「オーディションの直前までトイレでもがく、その根性…買ったぁ!!」
 
なんとオヤジがオーディションに出ずに合格してしまいました。ブーイングを送るうさ子。
 
「トゥートゥー」タンギングを巧みに使ったブーイングは、トイレのオヤジに届き
 
もがきながら嬉しがるオヤジ。うさ子はなおもプロデューサーに詰め寄ります。
 
「う…うさ子!一発芸やりまーっす!」うさ子はご自慢の芸を披露して、採用してもらおうとたくらみました。
 
「隣に住んでるフィリピン男性のマネ」うさ子はやれることは全て出し尽くしました。しかし…。
 
「しつこいと業界どころか全ての局に入れなくなるぞ?」と、たしなめられる始末。
 
「なによ!こんな輝きを放つ新人の卵を相手にしない局なんて、私の方から願い下げだわ!」
 
うさ子がオーディション会場を出ようとした時、オーディションに合格したハゲオヤジに遭いました。
 
「今回は不合格だったそうだが、エキストラとは突っ返されてなんぼだ」うさ子に先輩風を吹かせました。
 
やっぱり見た目的にどうしてもオヤジが勝っているとは思えないうさ子。とうとう
 
オヤジを宇宙へ吹っ飛ばして逃げ帰りました。布団にくるまりすすり泣きをしていると、
 
うさ子の家に一通の手紙が届きました。その内容は…
 
「オヤジさんが所在不明のため、次点のうさ子さんが合格に格上げ」という合格通知でした。
 
と思ったら夢でした。
 
「な~んだ。夢だったのね。さーて、今日の予定は…」手帳を見ると、
 
「えっ!?AM10:00からエキストラの仕事!?私…受かってたっけ?
 
行ってみりゃわかるか。んじゃ、レッツゴー!!」うさ子は意気揚々と出かけて
 
みたものの、撮影場所がわかりません。仕方がないので、いつの間にか持ってたオヤジ
 
のヒゲと通信衛星をつなぎ、いつまで現場に着けず歩き回ったのでした。ご愁傷様…。

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