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T-065

「うーん、これでもない…」うさ子が何かごそごそとやっています。
 
「おかしいわね、先月通販で買ったアレが無いわ」と押し入れの中にしまった、
 
アフロヘヤーセット一式を必死に探しています。
 
今日のディスコでフィーバーするために、どうしても必要なのです。
 
「フィーバー出来ないんじゃ、忌々しいあのオトコをギャフンと言わせられないわ…!」うさ子は天を仰ぎ怒りに震えています
 
あのオトコとは、ふんわりメレンゲアフロヘヤーでディスコを沸かせた過去を持つ、マロールというフランス人です。
 
ちなみに65歳の現役ホストです。
 
どうしてもフィーバーに妥協を許せないうさ子は、見つからないアフロヘヤーセットの代わりを探すことにしました。
 
「えーっと…あ、あった!」笑顔で取り出したのは、硬くなったわたパチでした。
 
「こーやってわたパチを上につけて…って、取れねェ!!」時間も無いという焦りからノリツッコミもイマイチです。
 
必死こいて頭のわたパチをセットしなおそうとするのですが、その必死さとは裏腹にわたパチはうさ子の腕や手に引っ付くばかりです。
 
あらゆる所に触れば触るほど、わらわら増えるわたパチ。よく見たら少しずつ姿を変えていっているようです。
 
「はっ…コレはアタシ!?」よく見るとわたパチがちっさいうさ子になり、もっさりと絡みついているではありませんか。
 
「お困りのようね、そんなアンタの悩みを無用にするのがアタシ達よ!」
 
ちっさいうさ子達の声。「いや、アタシが困ってるその理由がアンタ達なんだけど」うさ子は冷たく返します。
 
「まあ、ぶっちゃけそうなんだけどね」ちっさいうさ子の1人がぶっちゃけながらうさ子の上でタバコをふかしました。
 
そのタバコの火がまだうさ子になっていない部分のわたパチに燃え広がってさあ大変。
 
どじょうが出てきて「こんにちは。坊ちゃん一緒に遊びま」「やかましい!」
 
胸と体が火事なうさ子は、どじょうを思いっきりぶちました。ん?どじょうが持っているものをよく見ると、何とアフロヘヤーセット一式が!
 
「坊ちゃんが欲しいんはコレやろ?な、オジちゃんとエエコトせえへん?な。」うさ子の欲しいモノを知ってるからこそのいやらし発言です。
 
「お断る!」うさ子はわたパチに燃え広がった炎を使ってフィーバーしようと企んでいたのです。
 
その神々しいダンスと炎で、どじょうだけではなく、ちっさいうさ子やあの男、マロールをも魅了しました。
 
うさ子の情熱に押されて、惰性に満ちていた生活に喝を入れなおしたマロール、情熱をただひたむきに出し、踊り続けました。
 
うさ子は逆に燃え尽きていました。文字通り。
 
しばらくすると燃え尽きたうさ子から、小さなうさ子が芽生えました。
 
「なんと、なんと端麗かつ見事な焼畑じゃ…!!」マロールは踊りも忘れるほどにうさ子の焼畑を見てつぶやきました。
 
そうして、放心したマロールの周りを二種類の小さいうさ子達は、フィーバーしながら回り続けるのでした。めでたしめでたし。

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