- 2008/08/08
- テキスト
T-007
ここは海の中。実はえら呼吸もできるうさ子はお散歩をしています。
前方から体長6メートルの巨大なジンベイザメがやってきました。
「おや甚兵衛さんじゃないの」うさ子はなんだかそのサメよりも大きいようです。
うさ子を嫌いなジンベイザメがメンチを切ろうとした瞬間、うさ子は先にメンチを切りました。
「おっ?おっ?なんばしよっと?」甚兵衛は土佐弁(?)で威嚇しました。
うさ子がひるんだその時!!甚兵衛は幻の左アッパーを繰り出しました。
しかし同時にうさ子の左手も甚兵衛の顔をとらえていました。クロスカウンターです。
巨体の繰り広げるクロスカウンターにより、辺りの海は荒れました。元冦にて日本を救ったのはこの嵐です。
海が荒れた後、海が2つに分かれたのもこの2人(ヒトじゃないし)が原因です。
99年7の月の恐怖の大王もこの2人ではないかとまことしやかな噂が流れました。
しかし当の本人は気付かず口げんかを始めました。小声で。
「みかんの皮は下からむくのがおいしいんだ!」「いいや上から以外認めんっ!」
3日間海中で口論した結果、「間をとって真中からむく」と言う結論に達しました。
これが日米修好通商条約につながったのは言うまでもありません。
結論に達した後2匹(?)は和解しました。海から見える夕日がまぶしいです。
その夕日をバックにして、何かがうさ子達に向かって飛んできました。
「やぁ、私はタダの通りすがりの体育教師だ!!」奴は勝手に自己紹介をしました。
そして彼方へ飛んでゆきました。その心意気はまるで金八のようです。
うさ子は何事もなかったかのように軽くシカトをしました。
「そろそろ海からあがらないと、塩水で髪が痛んじゃうわ」うさ子は陸に上がることにしました。
しかし甚兵衛は寂しいのかうさ子の足をガッチリ掴んでいます。しかも手の先の足を。
甚兵衛は離す気はないようです。うさ子は首を伸ばし甚兵衛に絡みつきました。このままでは甚兵衛はえら呼吸ができません。
「離せぇ~!!離さんとこうしてくれるわぁ~!!!」甚兵衛はもがきながらもうさ子の足にかみつきました。
「こっこれは!」実はうさ子の足は幻の珍味だったのです。
甚兵衛はうさ子の足を深く味わいはじめました。「まろやかでいて、それでしつこくない…何でこんなに…う・ま・いんだー!!」
甚兵衛はそのままミスたー味っ子のように宇宙に飛んでいきました。
ついでにうさ子も宇宙へとんでゆきました。
「飛んで飛んで飛んで…♪」うさ子は上機嫌で歌っています。うさ子の体は見る見るうちに溶け始めました。
見るとうさ子の手と足の先に3cmくらいの虫が何匹も食らいついていました。
うさ子は負けじとその虫に食らいつきました。しかし、甘かった!(虫が)
実はその虫は「トロ・で・カルロ」という幻の珍味だったのです。うさ子はあまりの美味しさに溶けかかった体が一気に硬くなりました。
「これをカレーに入れたらとびっきり(死語?)おいしいカレーができるわ。けどどうやって帰ろうか…」
そうなのです!!うさ子は硬くなりすぎて体が動かなくなったのです。
無理もありません。なんたってココは宇宙なんですから。息もできてません。
「宇宙なら…宇宙服着なきゃ」うさ子は何を思ったか、近くにいた甚兵衛さんの口からお腹の中に入りこみました。
するとどうでしょう、体内に入ったうさ子は宇宙服になってしまったではありませんか!!
宇宙服うさ子を吐き出した甚兵衛さんは、その宇宙服を着込み、イスカンダルへ向かって旅立ちました。おしまい。