- 2008/10/17
- テキスト
T-077
うさ子はロボの動きをしています。よく見ると後ろのカートリッジに『ロボ』と書かれています。
それを見たうさ子の友達、鈴カステラは、カートリッジの文字を『ウニ』に変えました。
うさ子はウニが大嫌いなので、鈴カステラをこっぴどく叱りました。
「大体アンタは、どうして本気と書いてマジって読むのかおわかり!?」
「わかんないわよ!理由と書いてワケと読むのもわかんないわよ!」
「じゃあ『キモい』の『キモ』はなんでカタカナなのよー!!」
「知るかー!!ていうかそれアタシのペットYOー!!」
「え、どれ?」
「あなたの背中にくっついてるカートリッジYOー!!」
うさ子がふと後ろを見ると、その背中には『ウニ』ではなく『キモ』と書かれた
はんぺんが乗っかっていました。
「『キモ』は1日10回牛乳を飲ませないと…。飲ませないと、ひどく泣くのYOー!!」
鈴カステラは自らの乳を『キモ』に分け与え、愛でました。
キモは本気で嫌がりました。素で目を逸らす感じよ。そう。
これが『幼児虐待』の言葉の成り立ちです。
しかし、キモは実は40代で自立しています。妻子持ちです。
うさ子の背中から降りたらもうマイホームパパのカオになるのです。
無理矢理授乳をさせられたキモは人生に嫌気を感じ、自殺を図りました。
「アンタ!!」うさ子はキモを説得にかかりました。
失敗しました。
「パパ!!」キモの1人娘が説得にかかりました。
やっぱり失敗しました。
「アナター♡」キモの奥さんも説得に加わりました。
それでも失敗しました。キモの決心は固いようです。
いよいよ、キモが意を決してシルバニアハウスの2階から飛び降りたその時、
マイホームパパのカオになりました。
そしてキモは還らぬ人となりました。
「キモー!!カームバーック!!」うさ子は、叫ぶ娘を尻目に他のうさ子と食事を
とっているキモの奥さんを、ひどく軽蔑したまなざしで見ました。
しかし1年後、うさ子とキモの奥さんは大親友になりました。人生ってばファンタスティック☆
完