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T-090

ある夜のこと、うさ子は不穏な空気を感じ、目を覚ましました。
 
暗闇の中、目を凝らすとそこにはなんと…!
 
大量の枝豆がはじけていました。
 
リーダーと思しき一粒の枝豆は、凛とした目でうさ子をキッとにらむと
 
自分の頭部をちぎり取って「僕の顔を食べなさい!」と半ば強引に勧めてきました。
 
拒否したら角が立つだろうとうさ子は意を決し、その顔を冷凍保存しました。
 
お陰でリーダーを欠いた枝豆たちは意気消沈、心の拠り所をなくしつつありました。
 
枝豆たちが出て行こうとしたとき、うさ子が「待って!!!」
 
と言わんばかりのポーズをキメた写メールを送りましたが、あいにく枝豆の携帯はまだ液晶がモノクロです。
 
枝豆たちは、「なんだ?
 
なんだなんだ?どうしたんだ?」と慌てふためいています。写メールが見られないのです。
 
と、その時です。冷凍庫からかすかに「機種変しやがれ」という声が聞こえました。
 
うさ子と枝豆たちは、ついさっきの出来事を既に忘れていたので、「冷凍庫がしゃべった!」と慌てふためきました。
 
そしてときめきました。うさ子と枝豆達はもっと冷凍庫と交友を深めようと考えました。
 
枝豆達は、冷蔵庫に集団でアツイ想いを告白しました。振られました。
 
枝豆たちは、怒り狂ってポップコーンになろうと思いましたが、半分ぐらいポップコーンになったところで時間切れになってしまい、しなびてしまいました。
 
すると、うさ子は「まあ!おいしそうだわ!」と言い、ポップコーンを食べてしまいました。
 
しかし塩加減がうさ子にあいませんでした。「こんなのポップコーンではないわ!」とちゃぶ台をひっくり返しました。
 
うさ子がひっくり返したちゃぶ台は、偶然部屋にあった白黒テレビに気持ちよく命中しました。
 
ぽよん。と、ちゃぶ台と白黒テレビは激しいぶつかり音を立てました。
 
「うるさいアルよー!」激しいぶつかり音に腹を立てた
 
と思いきや、怒りを抑えてニコニコしています。 無理な我慢はストレスの元です。
 
ストレス解消のために、踊ってみることにしました。
 
まずはフラダンスを踊ることにしました
 
優雅です。華麗です。素敵です。でも踊っているのはパラパラです。
 
そんなちゃぶ台とテレビを眺めるうさ子。退屈なのであくびが止まりません。
 
あくびのしすぎであごが外れてしまいました。
 
ついでに骨(鎖骨等)も折れました。
 
ヤバイと思い病院に行きました。
 
しかし病院は今、巷で大流行のイモチ病患者で満員御礼です。今年は凶作の危機です。
 
あごがはずれているので声も出せません。しょうがないので生き残ってた足でテレビを見ていたちゃぶ台をひっくり返してみました。
 
「病院では静かにしてください」看護師にたしなめられました。
 
「すいません。百万円払うから許してください。」うさ子は誠意を込めて謝りました。
 
にっこり笑って許してくれた看護婦さんは、「それでは献血お願いします」と大きな注射器を持ってきました。
 
注射器の中身は、薬ではなくところてんが入っています。
 
うさ子は慌ててちゃぶだいを元に戻し、この一年間の中で最高に輝く笑顔でお腹を鳴らしました。
 
お腹の音のほかにも、爆発音や悲鳴も鳴り響いていました。
 
しかしそれらに構うことなく、うさ子はところてんをがむしゃらに食べ尽くしました。
 
そして、うさ子のおなかが破裂してしまいました。
 
「なんでだよ!」あまりに唐突だったのでうさ子はびっくりしました。しかしよく見たら破裂してませんでした。
 
その代りに体がところてんになっていました。
 
そのまま自分も食べ尽くしてしまった、「食い倒れうさ子」の伝説は今もなお語り継がれているようです。劇終。
 

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