- 2008/10/29
- テキスト
T-089
今日はとてもいい天気。絶好の民事再生手続き日よりです。うさ子は破産する気まんまんです。「さあ、早く国のお世話にならなくちゃ!」
「やあ!絶好の破産日和だね!」鳩がうさ子に声をかけました。
うさ子と鳩は意気投合。色々話しているうちに、どうせ破産するなら贅沢の限りをつくそうという事になりました。
手始めに黄金糖を買い占め、どんぶりに山盛りに盛りました。
その上に、贅沢にも納豆と生卵までトッピングです!コレステロールまで高くてホント贅沢です!
こうして出来た“超贅沢丼”を片っ端から食べまくり、うさ子と鳩のピーコは数日でまんまる~に太ってしまいました。
近所の子供たちがうさ子へ寄ってきました。「あっコラ!何をするの!?」
子供たちがまんまるうさ子を転がし始めました。
転がるにつれて、うさ子とピーコから納豆と卵まみれの黄金糖がぽろぽろこぼれます。
「まあ、丸々太ったハトとウサギだねえ、喰っちまおうか!」それを見ていた近所のオバちゃんはうさ子たちを夕食にエントリーしました。
「やっべぇ!俺ら食われんの?!」「こっちよ、こっち!この鳩のがうまいわよ!私ってばまずくって…!」うさ子は鳩を大プッシュ!
うさ子の思惑どおり、おばちゃんは鳩をチョイスしました…が、さっきの納豆と卵まみれの黄金糖が邪魔して、うまく捕まえられません。
巧みなフォーメーションでおばちゃんの攻撃を阻む納豆と黄金糖。さらにはおばちゃんに向かって呪文を撃ち始めました。
卵が止めに入ります。「もうやめてッ!みんな仲良くできないの!?」
…と、割り込んできた卵が呪文に直撃!! ホッカホカのゆで卵になってしまいました。
しかもちょっと甘い味がします。「食ってんじゃねえよ鳩!」
「だってゆで卵はおふくろの味なんだもの」鳩は嘘臭さ満点の返事をしました。
「だからって自分の生んだ卵を食べることないでしょう!」おばちゃんは卵を弔いながら鳩を責めます。
そしておばちゃんはおもむろに鳩を食べました。
そしてうさ子はおばちゃんを食べようとしました。が、そこは機敏な動きのおばちゃん。見事な宙返りでひらりとかわしました。
…が、しかし。着地に失敗し、頭を強打してしまいました。
そのせいで、おばちゃんの頭の骨と華々しいサクセス・ストーリーが音を立てて崩れて行きました。
「どんな音だったの?」語られる話の途中で、少女が尋ねます。
「そうね、…こんな音よ」そう言うと少女の母親は本を閉じるなり、ビール瓶を叩き割りました。
ビール瓶では思った音が出なかったのか、今度はご近所の窓ガラスを根刮ぎ割り尽しました。
モロロ~ン…。 「ああっ、こんな音初めて…!」 それは語り継がれる話に感動したうさ子の、ちょっとほろ苦い贈り物と言われているそうです。
しかしてその音は…!!「へろ~ん…へろ~ん…」聞いてると力が抜けてくる音でした。
モロロ~ン、へろ~ん…。驚くほどの音に、母親と少女はぐったりしています。
「アハハ、ウフフ…。」ぐったりしながらも2人共笑顔で、通報されてもおかしくない挙動不審ぶりです。
案の定ご近所から通報されました。
「…以上、コレが有名なうさ子の変よ!テストに出るわよ!!」教師びんびんうさ子が、生徒たちにこの出来事を教えています。
そしてテスト当日。生徒の前に答案用紙が配られました!「合図するまで問題は見ちゃだめよ!」
…が、時既に遅し。皆問題とにらめっこしています。終いにゃぁ互いにカンニング!?
お陰で教師うさ子は職を失い、すっかりお金がなくなってしまいました。今日はとてもいい天気です…。