- 2008/11/12
- テキスト
T-103
うさ子は銀行の金庫に入っている大量のお金を盗む計画を立てました。
完璧な計画を立てたら、さっそくシミュレーションです。うさ子はすさまじい形相で素振りをしました。
右手におたま、左手におなべのふた。ドラク○の初期装備のようです。
その時です。矢文で王様からお城へ呼びつけられました。金庫かお城かどちらに行こうか迷います。
折衷案として、お城の宝物庫に立ち寄ることに決め、ひとまず王様の前に。
王様はうさ子に言いました。「うさ子、おぬし金庫を盗もうとしているだろう?」なぜかバレてます。
「なっ!?」明らかにバレているので、うさ子はどこからバレたか必死に思い返しています。
…そして、「あー昨日王様に言ったわ」の「わ」の所で手錠をかけられました。
うさ子はしょっぴかれました。シャバとはしばらくおさらばです。
ろうやでの生活が始まったうさ子。早速、脱走の計画に取りかかりました。
ですがこの生活、思ったよりも心地良く、いつの間にか日々が過ぎ去りました。
「あれから300年か…」ナチュラルに嘘をつくうさ子。鼻が伸びましたよ。
いまやうさ子は刑務所のボスです。今日も新米の看守を姑のごとくイジメまくります。ノリノリです。
「うさ子、出ろ。看守長が呼んでる」うさ子はとりあえず出牢しました。
そこで初めて看守長が「お、お前、鼻が長いな!!!」と言いました。
それもそのはず、うさ子の鼻は看守長に刺さっていました。
看守長に鼻を刺したまま、うさ子は王様の所へ行きました。
「刺すぞ」王様を脅しました。迫力満点です。
王様はびっくりして、うさ子の鼻を切り落としました。グラム100円で売る寸法ですな。
「それは高いよ王様!!」うさ子は誇らしく言いました。「グラム30円だわ!!」
いつのまにか放っとかれている看守長。刺されたままいじけます。
「…帰りますね」看守長は何か長い物をぶら下げたまま、スクーターで帰りました。
「さてと…」うさ子はおもむろにティーセットを取り出しました。
「王様、お砂糖は入れます?」
と聞きながらも、うさ子はマイペースに自分のティーカップに砂糖山盛り。糖分取り過ぎです。
鼻を切ったあとから砂糖がサラサラこぼれます。
「あらごめんなさい、王様は糖尿病だったわね」すでにカップは砂糖まみれです。謝った意味がありませんでした。
「で、何をどうするんじゃ、うさ子」王様もうさ子もまったりしすぎて目的を忘れています。
仕方が無いので王様に砂糖を飲ませました。
「うぐふあっ…おいすー!!」王様はトリップしました。心ここにあらずです。
すっかり甘味処になったお城。宝物庫の宝石ももはやグミです。
「今日の発注品と量を教えてくれーい!」王様が叫ぶ、いつもどおりの昼下がり。
「本日は…」と執事が言うと、すでに砂糖で出来ていた城が一気に崩れました。そして王様は静かに息を引き取ったのでした。