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T-144

週刊うさ子創刊に向けての会議もいよいよ佳境です。
 
「よーし、ここで決定事項を整理するぞー」三村課長が叫びます。
 
「袋とじは私、三村のセミヌード。これはゆずれない!」
 
この一言で、プロジェクトは終わりを迎えました。
 
諦め切れないうさ子は、なんとか実現させようと課長と密談します。
 
「課長、セミヌードなんてもったいぶらずに、全部さらけ出したらどうです?」
 
課長は惜しげもなく全部さらけだしました。ポリにしょっぴかれました。
 
「また、お前か」
 
「テヘッ☆」
 
問答無用で檻の中です。せっかくなので、投獄日記を書いて出版しようと思いました。
 
放置の社員はバカンスの真っ最中です。課長は牢獄でのいぢめに耐えています。
 
「おい新入り、オメー何をやらかしたんだ?ア?」
 
「主に、セミヌードを…」
 
「バカヤロォオ!!時代は真っ裸に決まってんだロォ!!出直して来やがれぇぇぇ!!!!」
 
言葉通り出直してきました。
 
全てをさらけ出した写真集を作り、出直してきました。
 
法には触れていたものの、写真集は需要があったのか、結構売れました。
 
そのお金でセミヌードの写真集も作りました。
 
そっちは売れませんでした。下着がヒョウ柄だったのが原因みたいです。というのも
 
隠すべき所を隠していないうえに、ヒョウ柄下着を顔から被っていたのが悪評を買ったのです。
 
その一方で、一部熱狂的なファンも。関節100ヶ所稼動の1/1スケールフィギュアも発売。
 
というより、本人に値札をつけただけなんですけどね。
 
「世界に一つだけの本物フィギュア!!」落札価格はなんと…
 
プライスレス☆
 
売れませんでした。課長涙目。
 
「ふええん、みんな、私のこともっと見てよぉ…」上目遣いで懇願を続けます。
 
その様子を、うさ子は取材し続けています。
 
いわゆるひとつの販促です。
 
店頭で上目遣いを続ける課長は、目が乾いてしまいました。目玉が動きません。
 
その乾いた瞳が、再び感動の涙で潤うことを、課長はまだ知るよしもありませんでした。
 
私が取材を続けていると、そこへ課長のかつての部下が訪れてこう言いました。
 
「あー、週刊うさ子の件だがね、セミヌードが通ったんだよ、ワッハッハッハ!!」
 
「た…田中クン!!」かつての部下との美しい握手。
 
その数日後、無事週刊うさ子が発売されました。
 
「ママ!うさ子買ってきてくれた!?」「はいはいたくちゃん。本当にうさ子が好きねぇ」「うん!ボク、課長みたいになりたいな!」少年の目には、明日が映っていました。

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