- 2010/10/18
- テキスト
T-197
うさ子は裏のおじいちゃんとダンスをしていました。
「私の前にひざまづきなさい!」ダンスをエスコートしてもらいながらうさ子は
おじいちゃんの年金を天引きしました。
突然のことにおじいちゃんはびっくりしましたが、うさ子はそうでもありませんでした。
おばあちゃんは怒髪天を衝いて般若のような面持ちです。
うさ子はおばあちゃんにひどくおびえ、大切にしている絹豆腐をあげました。
絹で作った豆腐を見て、おばあちゃんとおままごとをすることに。
精一杯やろうとしたのに、うさ子は豆腐で顔をふさいで、息の根を止めました。
うさ子は少し悪いことをしたなと思いましたが、すぐに『徹子の部屋』の録画予約をしました。
おじいちゃんは全てを記録していました。そしょうのじゅんびはばんたんです。
徹子の部屋は録画されていませんでした。おじいちゃんが上書きしていたのです。
「あれほど“おおみそかだよ!ドラえもん”は消さないでって言ったのにッ!!」
その二日後、海岸にて首まで砂に埋まったおじいちゃんが遺体となって発見されました。
安らかな顔をしたおじいちゃんの横には、柿ピーと日刊スポーツが置いてあったのでした。
そして横には棒と目隠し用のハチマキ。そう、スイカ割り事故をよそおって
うさ子がおじいちゃんのスキンヘッドをなでくりまわして殺害したのです。
スキンヘッドをこねくり回したため、ケーサツに捕まってしまい
ましたが、それはうさ子の影武者。三日後には土人形となり、警察は血眼で本体の行方を追います。
そして現場におじいちゃんは残されたままだったのでした。誰かせめて片付けてあげて。
おばあちゃんなんて自室に横たわって…おや?おばあちゃんが謎の呪文を唱えてます!
「ピピルマピピルマ…」アダルトタッチに変身するようです。
「ピピ…ル?……ピピ…るぴるぴるぴぴるぴー♪」ん?間違ったかな?
解脱しかけたおばあちゃんに、うさ子はトドメの一撃で引導を渡すことにしました。犯人は…現場に戻るっ!
おばあちゃんの最後の一言は「だ…脱稿したら鳩サブレー食べたかった…」
でしたが、うさ子にはもう聞こえていません。おばあちゃんをおじいちゃんの横にセットしているのです。
うさ子の「発★進」の合図と共におじいちゃんとおばあちゃんは宇宙(そら)へ旅立ちました。
背中合わせのじじとばばは宇宙をさまよい、やがて
考えるのをやめました。依然ケーサツの追手から逃れるために日陰暮らしです。
今日は快晴なので、ロケットはよく飛びます。あともずくが美味しい季節ですね。
おじいちゃんとおばあちゃんを観測するロケットに乗ったうさ子は、もずくで
熱くなりました。
ケーサツも後を追った所、目頭が熱くなりました。
深い悲しみに包まれたロケットは、やがて制御を失い、銀河をさまようのです。
まるで花火のようにパーンとハジけました。自重できない方向の意味で。
そして結局宇宙のチリになりました。キラッ☆