- 2008/09/09
- テキスト
T-039
ここは雲の上。ハワイアンうさ子は空の旅を満喫中です。
「ハワイアンズ」と書かれたアロハを身にまとい、とっても上機嫌。
ウクレレを両手に、フラフープを両足に、鼻歌まじりのフライハイです。
しかし、そのウクレレから毒ガスが発生してきました。
「いけない!このままでは日本に黒い血の雨が降るわ!」
そこでアメリカへ移動しました。
バッチリ解決かと思いきや、アメリカにはすでにアメうさ子が
血の雨を降らせて指名手配されておりました。「先を越された…!」悔しがるうさ子。
仕方が無いのでウクレレの雨を降らせ、日本の空へ戻ってきました。
「やっぱり日本よね。…そういえばなんだかお腹が空いてきたわね」
そう言ってうさ子は持っていた大量のフラフープを醤油で炒めて食べました。
に が い
どこからか聞こえてきたその言葉にハッとなるうさ子。フラフープは辛かったのに。
「何!?何族なの!!?」問いかけるうさ子。
に が い
「も、もしやこの声はあの伝説の…」
に が「おだまり!」とうとうキレたうさ子。伝説なんてくそくらえ精神です。
すると奥のハローワークからスネ毛がモップみたいな男が現れました。
うさ子はピンと来ました。「貴様がウクレレに毒を仕込んだのね!?」
「うん」男はあっさりと容疑を認めました。
「ふふ…知ってるわよ。そのスネ毛から伝説の苦い毒が抽出されるって」
「ククク…甘いな。実はこの毒は自分にもまわるのだ!!」みるみる青くなるスネ毛男。
「剃れよ!」「ついさっき剃ったばっかりなのさ」「だから毒が出てきたのね」
「うん、ボク死ぬのかなあ」「大丈夫よ、きっと助けが来るわ
あ、ほら、来たわ!」スネ毛男の目の前に止まったのは黒い車でした。
中から現れたスーツ姿の男は、スタスタとハローワークに入っていきました。
それを見てスネ毛男は、さきほど門前払いされたことを思い出し、
自らの命を絶ったのでした。
「めでたしめでたし」死んだつもりのスネ毛男が言いました。
それをうさ子が鉄砲で撃ってさ、煮てさ、焼いてさ、食ってさ、
にがくてさ、毒は胃液で中和できてさ、
その中和液がすげえ美味でさ。
あまりのうまさにうさ子の体内でスネ毛男が復活しちゃうイリュージョンに。
― うさ子の貴重な産卵シーン ―
シャララーン…ピレパラピャーン…。うさ子が光ります。
そして…何やらバールのようなものを取り出しましたね。
その実態は、スネ毛男の最終形態、スティック男のようです。
スティック男は言いました。「オレ、鬼を退治してくる」
うさ子は言いました。「アンタの毒ならイチコロね☆」
にがいからね…!
おしまい