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T-041

ポロロロン…♪ うさ子が竪琴をひいています。
 
その音色は、草木が枯れる程の美しさです。
 
「誰じゃ~!自然を壊している輩は~っ!!」見知らぬ母が乱入してきました。
 
「アァン!ママン!アタシ思春期なのよ!もっとやさしくしてYO!」
 
「YO!それは無理な注文YO!今日の夕飯はおじやYO!」母は乗り気です。
 
「母上様ッ!おじやの歌をアタシが考えつくまでに夕食の準備、できますか!?」うさ子は挑戦的です。
 
「チェケラ!!準備できるに3000点!はらたいらに3000点YO!!YO!!」母は受けて立ちました。
 
見知らぬ母は、しゃもじを素振りしています。どうやら、やる気です。マンマンです。
 
「返り討ちにしてやるわ!」しゃもじを口にあて、そして…。
 
「ヨーメーーーーーーーーーーーーン!!」大声量で歌います。
 
負けじとうさ子もジンバブエ仕込みのララバイで返事をします。
 
うさ子が奏でたララバイは、近くにいたテルオ君に涙を流させる程の出来でした。
 
母もつられて泣いています。
 
しんみりした母はお返しにとブルースをうさ子に贈ることにしました。
 
「昔、私がまだいきがってた10代だった頃…」母のブルースはセリフが始まりました。
 
「神社の水道を開けっ放しにして逃げるほどのワルだったのよ…」
 
「そう…それはそれは」うさ子は聞いてるフリをしてますが、よそ見をしています。
 
うさ子の視線には、地面に落ちたバナナの皮があります。
 
「とってんぱーのにゃんぱらりーッ!」見事うさ子はバナナの皮で滑ってキャット空中三回転をキメました。
 
「あの頃は~夢もあった~♪」母のブルースはまだ続いています。
 
うさ子は母の歌をうわの空で聞き流し、消えかかっています。
 
「大変!!うわの空が胃空間に消えかかってるぅー!!」気づいた母は混乱気味。
 
うさ子は立派なことに、すっかり落ち着いて胃空間を説得にかかりました。
 
胃空間は、うさ語がわかりません。どんどんいろんなモノを吸い込みます。
 
「このままじゃ危ないわ!」言葉でわからないモノは力で押さえつけるしかありません。
 
うさ子は両手をタコのように伸ばしぶんぶん振り回しました。
 
振り回した両手で胃空間を丸ごとがんじがらめにからめとりました。
 
からめとられた胃空間はなんだか悲しそうです。
 
結局うさ子は胃空間が離れるまで、一週間ほど飲まず食わずでダイエットにダイエットに成功したのでした。

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