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T-061

うさ子は今お昼ごはんを食べています。おかずがないので納豆ごはんです。
 
「納豆だって立派なおかずじゃないか!世の中には本をおかずにする人だっているんだ!」どこからか声が。
 
声の主は、その本でした。「オレを見ろー!!
 
穴のあくほど見つめるのだー!!」「お望みどおり、穴あけてやるワ!」うさ子の目からビームが。
 
本はメラメラと燃え始めました。「あ!そうだわ、せっかくだから焼きイモやろう!!おかず!おかず!」うさ子は畑へと走りました。
 
しかし着いた先は砂漠でした。「アァン!バンカーだわ!」
 
うさ子はオアシスを目指しました。「水のあるところにイモはある!!」うさ子は走り出しました!!「ヤキイモ!ヤキイモ!」
 
「タロイモ!タロイモ!」「ヤマイモ!ヤマイモ!」あらゆるイモのコールが聞こえてきました。
 
「ヤマモト!ヤマモト!」微妙に変わってきました。「ハッ私は何を探しに…?!」うさ子はすっかり混乱しています。
 
「ヤマ…ブシ?ヤマブシ?山伏を探すの?そして食うの?」畑の中で立ち止まるうさ子。
 
と、そのとき、偶然山伏とバッタリ出くわしました。「見つけたワー!!」うさ子の目はギラリと光りました。
 
しかし光りすぎてうさ子自身も眩しさに目がくらむ始末。「イヤーン!!」
 
うさ子は心の目で山伏のようすをうかがいました。彼も目を閉じています。彼もまた心の声でうさ子を見つめていたのです。
 
心の目で見つめ合う2人。恋の炎が燃え始めているようです。
 
しかしうさ子はおなかが減っているのも事実。恋人としての山伏を取るか食糧としての山伏を取るか究極の洗濯です!
 
「さあ…3つのうちからどれを選ぶ!?」「え、3つ目は何!?」「両方見逃すのさ」
 
「だめよ、どんな形にせよ必ず手に入れる。みすみす見逃してたまりますか!…ごはん」うさ子にとっては食糧としての見方が強いようです。
 
「ごッごはんって言うな!」「じゃあメシ!」「なおさら悪いわー!!」言い争いながらの追いかけっこ。
 
「珍味ヤマブシ!珍味ヤマブシ!!」うさ子の正気もあと35秒くらいしかもちません。山伏はここぞとばかりに
 
保存食の納豆を懐から取り出しました。「こ、これでどうだ…!!」うさ子は納豆をまじまじと見つめます。
 
「な…!納豆…!!納豆だわ!!」うさ子は納豆に夢中です。「味付けが欲しいわね」山伏をじろじろ眺めながら言いました。
 
「だ…だしでもとろうというのか!?ワシで!」山伏は怯えます。
 
「それならヤマブシよりカツオブシのがうってつけだぞ!」山伏はかつおぶしをうさ子に渡しました。
 
「違うわ!アタシはアンタの頭に乗ってるキノコを入れようと思って!」しかしそんなものはありません。
 
しかたがないので、たまたま持ってたマイタケをあげることにしました。
 
「やったあ!これでヒロミゴーも大喜びね!」うさ子はマイタケと納豆を手に畑を出ました。
 
きざんだマイタケを納豆に入れ、ホカホカごはんにのせました!食べます!
 
「いただきます!」食べてます!「ごちそうさま!」食べ終わりました!タイムは!?「0.01秒!?」
 
「ふぅ…」……。「もうちょっと…なんか…」…「デザートとかねぇ…」……「さっきの山伏、まだいるかな…」
 
ざっと探してみましたが、見当たりません。「もしや…」そう、そのもしやです。山伏はうさ子の腹の中で一生を過ごすことになったのでした。
 
おしまし。おしまし?

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