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T-067

大きなのっぽのうさ子さん。おじいさんのペットです。今年で100歳になります。
 
おじいさんの生まれた朝に玄関にやって来たペットです。
 
100年前と寸分違わぬうさ子。今日もおじいさんに一緒に遊ぶようせがみます。
 
「おじーさんと一緒にチクタクチクタクさせてー!!」
 
「しょうがないなあ…ぁ…うっ!!」おじいさんが持病の癪です。おじいさんピーンチ!
 
その場にうずくまるおじいさん。それでもうさ子はおじいさんの胸倉をつかんで離しません。
 
「ヒーラーイーケーンー!!」がくがく揺さぶられながら叫ぶおじいさん。一命をとりとめました。
 
おじいさんはもう100歳なので、そろそろ寿命のようです。あと1回チクタクしたら逝ってしまう勢いです。
 
うさ子はふとつかんでいるおじいさんに力が無くなったことに気づきました。
 
ふるふると力なくふるえ、そしておじいさんが目を見開きました!「ウォーッチマン!!」どうやら妖怪に…。
 
「信じる者は得をするのね!!」おじいさんの復活にうさ子は大喜びです。
 
妖怪になったとはいえ、所詮じじいはじじい。少し延命しただけです。
 
その「少し」は1000年程度です。それはさておき、喜ぶうさ子をじじいは睨みつけます。
 
「お前のせいでわしは死んだんじゃぞお!!」じじいの怒りがマックスに達しました。
 
「でも、アタシがいなかったらこうして延命することもなかったじゃないの!」うさ子の反論は半ばゴリ押しです。
 
「えっ…そう…なの?」じじいは弱気です。
 
「そーよ。あなたはアタシを崇めるべきなのよ」うさ子のゴリ押しは続きます。
 
人を従えることに味をしめたうさ子。ここにうさ子が開祖となったうさ教が発足しました。
 
と思ったらなくなりました。
 
でもおじいさんは弱気のままで、延命1000年の半分をうさ子にあげることにしました。
 
しかし、うさ子にとっての500年はあまりに短すぎます。なぜならうさ子の寿命は一万歳と膨大に長いからです。
 
「ていうか別にいらないしー」うさ子は枝毛を探しながらけだるそうに言います。
 
「ぬぁに!!わしの命を何だと思っとんのじゃい!」じじいはあまりの怒りに血管が切れてしまいました。
 
折角延びた命が台無し。じじいに再びお迎えが。
 
キラキラ輝く天の光。しかしそれはレーザービームでした。あらUFO。
 
「じいさん、家族がお迎えに来たよ」うさ子はじじいに暖かいまなざしを送ります。
 
そのまなざしを背中に受け止め、じじいはUFOの中へ音も立てずに入って行きました。
 
「じいさんは宇宙人だったんだね…気づかなかった。アタシ成長したよ」うさ子は目に涙を浮かべます。
 
じじいを乗せたUFOは、ぐんぐんと空高く舞い、お星様になりました。
 
天国へのぼるおじいさん、うさ子ともお別れ…かと思いきや、執念深いじじいはうさ子も道連れに。
 
劇終。

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