- 2008/11/03
- テキスト
T-094
今日は休日です。うさ子はとてつもなく暇でした。
「プッチンプリンの器集めもあきたわね~~。」
うさ子は、容器をトランプを切るように操りました。うさ子の573の特技のひとつです。
「そうだわ、ちょっと天下でも取ってこようかしら。」
思い立ったら吉日です。さっそくうさ子は身支度を始めました。
「天下をとる時の心得」と言う怪しい本を持って早速出発です。
さっそく、近くにあった銭湯のサウナの中で天下をとるために修行を始めました。
20分後、うさ子の体からは大量のとろろがでてきました。
うさ子は、とろろを集めとろろ丼にしました。
そしてうさ子はどんどん体がとろろ化していくのを感じました。
どんどんとろろ化していくのも気にせず、うさ子はとろろ丼をかっ込みました。
しだいに足が地面に吸収されていきました。
よく見ると、地面がうさ子の足元を中心に、少しずつとろろと化しています。
そのとろろは銭湯のサウナを飲み込み徐々に広がり始め、ついには付近住宅街までとろろ化してきました。
しかし、これに怒った住人達が立ち上がりました。
「何だこのとろろは!?うまいじゃないか!」住人たちの怒りはピークに達しています。
怒りを静めるために、うさ子は「とろろのおいしいレシピ108種」を伝授することを提案しました。
住人たちは半信半疑でしたが、しぶしぶ了解しました。
すると、うさ子の上半身から、調理セットが生えてきました。
うさ子は調理セットを装備し「まずはとろろのおいしいレシピ第56!!名前は『とろろとリンゴのふぁーすときっす』よ!!」
そう言うとうさ子は住人用のプチ農園から取ってきたリンゴをとろろにぶちこみました。「出来上がり!」
続いて、ハバネロを投入します。
「これで<レシピ第98・とろろとリンゴのファイヤーキッス>の出来上がり!」とっても自信満々でうさ子は叫びました。
住民たちの怒りは、ピークに達しつつ萎えていきました。うさ子のテンションについていける人とついていけない人とに別れたからです。
怒りがピークに達した集団が暴れ出しましたが、その弾みで怒りが萎えた側の男の口にファイヤーキッスが入ってしまいました。
「なすが~~~~」と言いながら、男は口からうずらの卵を、
出しました。すると卵がかえり、
巨大なトノサマバッタが出てきました。
さらに男は、鶏の卵や、トカゲの卵なども、どんどん手品のように出していきました。
住人たちはうさ子への怒りはすっかり忘れ、男の手品に釘付けでした。
すべて作戦通りです。
先ほど最初に暴れ出した男がニヤリと笑みを浮かべ、背後からうさ子に近付き
うさ子の耳(脇の下)を掃除しようとしましたが、
耳から出る強力な酸で目をやられてしまいました。
そのまま男は熔けてしまいました。
溶けた男は、のちにとろろになりました。
そして最初からあったとろろと混ざりました。
もちろん、これも作戦どうりです。
ふと、うさ子は思い出しました。
「とろろっておいしかったかしら?」
うさ子は、そのとろろに飛び込みました。
うさ子も体が溶けてとろろになりました。
そして、そのまま溶け合い、住民のいいお茶うけになりました。 終焉