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T-099

カレーの国があることを知ったうさ子。行ってみることにしました。
 
すごい!海がカレーだ…。泳ぐぞー!!
 
勢い勇んで飛び込んだのですが、ステキな珊瑚礁もカレーのせいで見れません。
 
というかこのカレーの海、なんと10辛!!うさ子はたちまち飛び出しました!
 
「うわー!おめめが真っ赤だー!」2人のうさ子は顔を見合わせました。
 
「目薬!目薬!」目薬もカレーでした。
 
もうやけくそです。目を赤く腫らしながら、2人で浜辺でカレーのなすり合いを始めました。
 
そうです、この国には真っ赤なうさ子しか存在しないのです。腐腐腐…!
 
「もうたくさんだ!カレーはたくさんだ!」うさ子はカレーの国脱出をこころみます。
 
でも大好物のカレーです。少しくらいタッパーにつめてからでも遅くはないでしょう。
 
やりすぎました。タッパーが大き過ぎ、詰め込み過ぎ…うさ子は脱出に手間取りました。
 
しょうがないのでタッパーの蓋に載ってカレーサーフィンをして遊ぼうと考えました。
 
ちょうどいい事に、10年に2~3度のビッグウェーブが現れました。
 
あっさり飲まれました。うさ子の体はまたしても真っ赤に…!!
 
赤うさ子は、気づきました。「この辛さをモノにすれば…アタイ、強くなれる!?」
 
うさ子は来る日も来る日もウェーブに立ち向かいました。色はもう赤ではなくなりつつあります。
 
そしてうさ子は、輝くピンク色のボディを手に入れました。うさ子の謎がまた一つ明らかに!
 
しかしよく見たら茶色でした。カレーだからね。
 
とたんに周囲と一体化してしまい、誰もうさ子を確認できなくなってしまいました。
 
「この国の中ならば何をしてもバレないわね!」保護色の体を持ったうさ子はウハウハです。
 
おかに上がると、そこは福神漬けの町でした。赤いです。
 
赤い中の茶色は非常に目立ちませんでした。道行く人にどんどんぶつかられます。
 
「ムキーッ!」怒ったうさ子は道行く人に足払いを始めました。
 
スパーン!スパーン!ズシャア!ズシャア!足払い100人斬りまであとわずかです。
 
99人まで斬ったところで道行く人がきれました。この町の人口はとても少なかったのです。
 
仕方が無いので自分で転びました。とってもサビしくなってきました。
 
サビしいついでにワサビをつまんでみました。
 
うさ子は鼻をツンツンさせながら泣きました。気が済むまで泣きました。
 
道行く人は感動し、うさ子に福神漬けを投げ入れました。
 
ドーン!!福神漬け山盛りうさ子のできあがり。
 
「師しょう!食べてみてください!」弟子は師しょうに味見を申し出ました。
 
「この茶色イのは何じゃあぁアァァ…!」師しょうは憤慨します。
 
「自分の子供…です。自分と師しょうのおォォッ!!」泣き叫ぶ弟子。
 
「そ…そんな!!!」師しょうはショックで立毛筋が総立ちしました。
 
突如、カレーの海が全てを飲み込みました。あーあ。
 

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